配偶者ビザ

日本人配偶者と死別したら配偶者ビザはどうなる?

日本人配偶者が亡くなってしまった場合、外国人配偶者のビザはどうなってしまうのでしょうか。

日本人配偶者が亡くなった後も日本で生活したい場合は、日本人との結婚期間や実子がいるかなどの条件によって、日本で生活を続けられるかが変わってきます。

日本人配偶者が亡くなられて大変な状況の中かと思います。

今回はそんな方たちのお力に少しでもなれればと思い、死別してしまった外国人配偶者のビザに関して 解説していきます。

日本人の配偶者が亡くなってしまった場合に行うこと

日本人配偶者と死別してしまった場合は、日本人が亡くなってから14日以内に入管に届出を行う必要があります。

死別の際の届出の方法は3種類あります。

届出の方法

  1. 入管で直接提出する
  2. 郵送で提出する
  3. 電子申請で行う

電子申請であればすぐにできますので、一番おすすめです。

外国人配偶者の選択肢2つ

日本人配偶者が亡くなってしまった場合、残された外国人配偶者のビザの選択肢は2つになります。

日本人配偶者と死別した場合の選択肢

  1. 日本に引き続き住むことを希望する
  2. 母国等に帰国する

日本に引き続き住むことを希望する場合

今持っている配偶者ビザを変更する必要があります。

変更できるビザは、外国人配偶者の状況によって変わってきますので、詳しくは後述していきたいと思います。

配偶者ビザの期限がまだ残っている場合

配偶者ビザの期限が残っている場合は、在留期限まで日本に滞在することは可能です。

ですが法律的には、「日本人配偶者が亡くなってから6か月以内に他のビザに変更してください」というルールがあります。

日本人配偶者が亡くなって6か月が過ぎると取り消し対象期間になり、入管が配偶者ビザを取り消すことができる期間に入ります。
ただし一般的には、配偶者ビザがいきなり取り消されるといったことはありませんのでご安心ください。

ですが、6か月以上何も手続きをしていないと、次回のビザ申請時に不利に働く可能性があるのでご注意ください。

母国等に帰国する場合

死別後に日本から離れて母国等に帰国する場合には、役所で「死亡届」を提出します。

その後、日本から出国の際に空港でEDカードという細長い紙の「再入国許可の有効期限内に再入国の予定はありません」という部分にチェックをして出国してください。

そうすると、今持っている配偶者ビザの効力が取り消されて出国することになります。

日本に滞在する場合の変更できるビザとは?

日本に引き続き住むことを希望される外国人の方は、配偶者ビザから何かしらのビザに変更する必要があります。

必ず変更が可能というわけではありませんが、可能性があるものを紹介していきます。

定住者ビザ

定住者ビザは、就労制限などもなく配偶者ビザと同じように日本で生活できるビザになります。

ただし誰でもこの定住者ビザを取得できるわけではなく、条件があります。

定住者ビザを取得できる条件(どちらか一方で可)

  1. 日本での結婚生活が3年以上
  2. 日本人との間に実子がいる

日本での結婚生活期間は表向きは3年以上となっていますが、実務的には2年半以上あれば定住者ビザへの変更を認めているケースが多いです。

定住者ビザへの変更申請の場合の重要ポイントとしては、「収入」です。

日本でどのように生計を立てていくのかを証明しないといけないので、「勤務先から在職証明書を取得」したり、まだ就職先がない場合は、就職活動をする必要があります。

収入は安定性を重視しているため、アルバイトのようなシフト次第で収入が変わる雇用形態ではなく、月額〇〇円と決まっている方が審査に有利です。

なお日本人配偶者との間に実子がおり、その子を育てるためであれば生計要件も緩く審査されます。
日本人配偶者との間の実子を育てるためのポイント、「親権がある」ことになります。

配偶者ビザ

死別後、「別の日本人」または「永住者」と結婚するという選択肢もあります。

これは今持っている配偶者ビザと変わらないのでビザを更新する形になりますが、「別の日本人の配偶者になるということですので審査は新規扱い」となります。
※申請は、在留期限の3か月前からのみ可能となります。

この場合は、”ビザ目的の結婚ではないか”と入管の審査も厳しく見られますので、交際の経緯の説明を十分にする必要があります。

また国によっては、女性に再婚禁止期間が設けられています。

再婚禁止期間が設けられている場合は、その期間中の結婚はできないので、今のビザの期限を確認して期限内に結婚できるのか確認しながら進めるようにしてください。

※配偶者ビザは結婚が成立していないと申請できません。

家族滞在ビザ

日本人ではなく、「日本で就労ビザ等を持って暮らす外国人と再婚」するケースは家族滞在ビザの申請になります。

再婚する外国人が永住者の場合は、上記の「永住者の配偶者等」になりますが、就労ビザなど他のビザを持つ外国人の場合には、「家族滞在」というビザになります。

家族滞在ビザでは、就労ビザの外国人に「扶養される」必要があります。
また結婚手続きも終わっている必要があるため、女性の場合は再婚禁止期間が設けられている場合は、ビザの期限に注意していただければと思います。

また家族滞在ビザでは、資格外活動許可を取得して週28時間以内での就労のみ可ですので、フルタイム労働はできませんのでご注意ください。

就労ビザ(オフィスワーク系)

日本で就職し就労ビザに変更することも可能性はあります。

ただし、日本での就労ビザは基本的にはオフィスワーク系の仕事に対して許可ができます。

就労ビザを取るための要件(オフィスワーク系)

  1. 学歴(大卒または日本の専門学校卒業)
  2. 職務内容(現場労働でないこと)

学歴要件は、大学卒業し学士の称号を持っていることが基本ですが、日本の専門学校を卒業して専門士の称号を持っている場合も対象になります。(海外の専門学校は不可)

職務内容については、オフィスワーク系の仕事が原則で、現場労働などの仕事はできません。

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の詳細はこちらから確認できます。

就労ビザ(現場労働系)

現場労働系の就労ビザ(特定技能ビザ)は2019年4月から取得可能になりましたが、様々な制限があります。

現場労働をしたい場合

2019年4月に新設された「特定技能」という就労ビザ(これは学歴不要)を取得できるようになりました。

特定技能は、指定の14業種(飲食店やホテル、建設など)で現場労働が可能となりましたが、日本語試験や技能試験があり、原則5年間しか働けない形になっています。

特定技能ビザは、就労期間がMAX5年間や、日本語能力があることなど様々な制限が出てきますので取得する際には要件をよく確認するようにしてください。

特定技能ビザの詳細はこちらから確認できます。

就労ビザ(会社経営)

日本で会社を作り、経営する(経営管理ビザ)という選択肢もあります。

日本の経営管理ビザは審査が厳しく、「資金要件」では500万円以上の出資と、ビジネスモデルの実現可能性まで幅広く審査されます。

またオフィスを借りる必要があったり、経営をするためのビザなので、外国人の社長自らが現場で働くことはできませんので、ご注意ください。

経営管理ビザの詳細はこちらより確認できます。

留学ビザ

日本の学校に通うために、留学ビザに変更するという選択肢もあります。

留学ビザの場合は、「入学する学校が決まっていること」「学費を払えるだけの十分な資金があること」が審査上大切になります。

学費の資金は、母国にいる親に支援してもらうことも可能ですが、親の収入証明を提出する必要があります。

また留学ビザでは、資格外活動許可で週28時間以内の就労しかできないので、配偶者ビザ時代のようにフルタイムで就労することはできません。

さいごに

日本人配偶者が亡くなり、気持ち的にも大変な時期ではあると思いますが、ビザ含めて行わなければいけない手続きがたくさんあります。

ビザについても期限がありますので、早め早めの手続きを心がけていただければと思います。

ビザプロでは、死別されてしまった外国人の方のビザの手続きのサポート実績が多くございます。
まずはお一人で考え込まずに、お気軽にご相談いただければと思います。

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