外国人との子どもを日本で出産した場合の手続きについて
国際結婚をして「外国人との子どもを日本で出産」した際には、「国籍留保届の提出」など、国際結婚ならではのルールがあります。
出産後は色々とバタバタしているかと思いますが、出産から14日以内に出生届を提出しないといけなかったり、しないといけないことがいくつかあります。
そこで今回は、外国人との間に子どもができ、出産した後に必要な手続きについて解説していきたいと思います。
目次
日本人と外国人の間に産まれた子どもの手続きは?
国際結婚で日本人と外国人との間に子どもが産まれた場合、まずは「出生から14日以内に最寄りの日本の役所に出生届を提出」します。
14日以内というのは、出生日を1日目としてカウントし、役所が休日などでしまっている場合には、翌開庁日までが期限となります。
出生届を提出する際には、「医師・助産師が作成した出生証明書」と「母子健康手帳」が必要となります。
仮に14日の期限を過ぎてしまっても受理はしてくれますが、「期間経過通知」という書類の提出と、簡易裁判所での審査が必要になり、手続きがかなり煩雑になるので、提出期限にはご注意ください。
さらに提出の遅延が怠慢だと判断されれば、「過料」として5万円以下の罰金となる場合もあります。
そして出生届の手続きのほかにも、残りの手続きが2つあります。
外国人配偶者との間に子どもが産まれた場合の手続き
- 日本の役所に出生届を提出する
- 国籍留保の手続きをする
- 本国(母国)にも届出をする
国籍留保の手続きとは?
国際結婚の場合は、「子どもの出生と同時に外国籍と日本国籍を同時に取得する」ことになります。
ただし国籍法12条で一定の期間内に,日本国籍を留保する意思表示をしなかった場合には、出生時にさかのぼって日本国籍を失うこととされています。
そのため外国籍と日本国籍の両方を取得したままにしたい場合には、「国籍留保届」の提出が必要です。
この国籍留保の届出は「出生から3か月以内に行う」必要がありますが、出生届の用紙に,「日本国籍を留保する」旨の記載をすることで手続きができますので、日本の役所に出生届を出す際に一緒に手続きをしてください。
万が一、国籍留保の手続きを忘れてしまっていた場合は、18歳未満(2022年4月から20歳から18歳に短縮)までであれば日本国籍の再取得の手続きを行うこともできます。
※日本国籍を取得せずに日本に滞在する場合は、外国籍扱いになりますので、在留資格(ビザ)の申請が必要になります。
相手の国にも届出をする
日本の役所で出生届を提出したとしても、外国人配偶者の国での出生記録には反映されません。
そのため、日本にある外国人配偶者の国の大使館で出生の届出を行う必要がありますが、この手続きは国によって方法が変わりますので、日本にある各大使館でご確認をお願いいたします。
出生届が提出できる役所は?
子どもの出生から14日以内に出生届を提出しないといけないですが、出生届は居住地を管轄する役所に提出することが一般的ですが、その他の役所でも提出することができます。
どこの役所で提出が可能なのか、ケース別で見ていきましょう。
里帰り出産の場合
出生届は、住所地以外にも日本人配偶者の本籍地(実家)でも提出ができます。
さらに、お子様の出生地でも提出可能ですので、出産した病院のある地域で提出することもできます。
海外で出産した場合
海外で出産した場合は、日本の役所の他に出産した国の日本大使館(領事館)でも出生届の提出が可能です。
そして海外で出産した場合は、赤ちゃんの「出生日から3か月以内」の提出が認められています。
震災や事故・病気の場合
災害などによって期限内に提出が難しい場合や、事故や病気などによって出生届の提出ができない場合には、病院や警察署で「届出遅延理由書」の発行をしてもらいます。
発行をしてもらったら、「届出遅延理由書」を市役所に提出することで事情を考慮してもらうことができます。
注意点としては、上記理由があったとしても届出遅延理由書がないと特例は認めてもらうことはできませんのでご注意ください。
外国人同士の夫婦が日本で出産した場合
外国人同士の夫婦の場合でも日本国内で出産した場合は、出生から14日以内に「日本の最寄りの役所に出生届を提出する」必要があります。
出生届を提出する際には、「医師・助産師が作成した出生証明書」と「母子健康手帳」が必要となります。
また、出産当日を1日目とカウントし、提出期限となっている14日目が土日や祝日、年末年始と重なっている場合は、市役所も休みであるため、次の開庁日まで提出期限が延長されます。
出生届は必ず提出が必要な書類であるため、14日の期限を過ぎても受理されますが、期限を過ぎたことで「期間経過通知」という書類を追加で提出しないといけなくなります。
また簡易裁判所での審査も必要になり、さらに出生届の遅延が怠慢だと判断されると「過料」として5万円以下の罰金を徴収されてしまいます。
その他の手続きとしては、下記となります。
外国人同士の子どもが産まれた場合の手続き
- 日本の役所に出生届を提出する
- 子どもの在留資格を申請する
- 本国(母国)にも届出をする
子どもの在留資格を申請する
出生届を役所に提出したら、「出生後30日以内に子どもの在留資格(ビザ)の申請」を行います。
ただし、出生した日から60日以内に出国する予定の場合は、在留資格(ビザ)の申請は必要ありませんが、60日以上日本に滞在していて在留資格(ビザ)の申請をしていない場合には、オーバーステイになってしまいます。
在留資格(ビザ)の申請には、日本の役所に提出した出生届(記載事項証明書)が必要になります。
本国(母国)の政府に申請する
日本の役所に出生届を提出しても、本国(母国)に子どもの出生情報が自動的に反映されるわけではありません。
子どもの情報を母国でも反映させるためには、一般的には日本にある大使館に出生の申請をします。
期限などは国によって変わってきますので、各国の大使館などにお問い合わせください。
本国(母国)での手続きをしていないと、日本から出国しようとした際や子どもが結婚する際などに支障が出ることがあり、手続きが複雑になりますので、早めに手続きをするようにしてください。