「交際期間が短い場合」の配偶者ビザの審査ポイントと対策について
配偶者ビザでは、「何か月以上の交際期間が必要」といった決まりはないですが、交際期間が短いと、付き合ってから結婚に至った経緯が厳しく審査される傾向にあります。
交際期間に決まりがないと説明しましたが、1つの目安として「交際期間が6ヶ月以上あるかどうか」で判断することもできます。
配偶者ビザの審査では、交際期間は結婚の信ぴょう性という観点において重要な要素になりますので、今回は、交際期間が短い場合の配偶者ビザを申請する際のポイントと対策について説明していきたいと思います。
目次
交際期間が短い場合の審査ポイントは?
日本の配偶者ビザでは「結婚すれば配偶者ビザがもらえるわけではなく」、入管の審査で許可をもらわないと取得できません。
そして、配偶者ビザの審査は大きく分けると「結婚の信ぴょう性」「生計の安定性」などが審査され、その中で結婚の信ぴょう性の判断材料として、交際期間があります。
「交際期間が短いと配偶者ビザが取得できないわけではありません」が、配偶者ビザの審査はすべて書類審査なので、どういった経緯で結婚に至ったかの説明を細かくすることが求められます。
交際期間が短い場合の審査ポイント
- 会った回数
- 会話で使用している言語
- 外国人のビザの期限(外国人が日本在住の場合)
会った回数について
交際期間が少ない場合は、「交際期間中に何回会ったことがあるか」をまず審査されます。
外国人の方が日本に住んでいる場合は、会う機会は多くあると思うので問題ないかと思いますが、外国人が海外に住んでいる場合で、今まで1回しか会ったことがないと言った場合には注意が必要です。
入管の過去の事例でも、交際期間が短く、会った回数も少ない場合には、偽装結婚であった確率が高くなっているというデータがあります。
当然ですが、ビザ目的の偽装結婚は認められませんし、日本人側は真実の愛と思っているケースでも、外国人側はビザ目的だったというケースも過去に存在しています。
そのため、会った回数が少ない場合には、日本人側が相手の国に会いに行ったり、相手を日本に呼び寄せて日本の暮らしに慣れてもらうなどしてもらうことが効果的です。
そして会った際には、必ず2人で写真を撮るようにしていただき、別日で撮影した写真を少なくても5枚は撮っておいていただければと思います。
会話をしている言語について
普段、会話やLINEなどのコミュニケーションツールで使用している言語も審査対象です。
完璧でないまでも、コミュニケーションが取れていない状態で結婚することはないと思うので、お互い理解できる言語で、コミュニケーションが取れているかが重要です。
翻訳機を使用しても問題はないですが、翻訳機がないと全く会話が成立しない状態だと、結婚するまでにコミュニケーションがかなり多くなると思いますので、必然と交際期間も長くなる傾向にあります。
そしてお互いの言語がわからない場合は、お互いの言語を勉強して少しでも会話ができるように努力するかと思うので、そういったことがない場合には、厳しく審査されてしまいます。
外国人のビザの期限について
外国人が日本に住んでいる場合、今持っているビザの期限がもうすぐ切れてしまうことが理由で配偶者ビザを申請する場合には、「今のビザを更新しない理由」によっては、審査が厳しくなります。
すでに日本に住んでいる場合には、今持っているビザの活動を目的として滞在していることになるので、今持っているビザの目的の活動をしていなく、今のビザが更新できないために結婚して配偶者ビザに変更したいと言った場合には、今持っているビザの在留不良と判断されてしまいます。
例えば、留学生として日本にいる外国人が学校を卒業できないから配偶者ビザに変更すると言った場合、学校を卒業できない理由が、出席率が悪いことが原因の場合、留学ビザの活動をしていなかったことになります。
そうなると審査官によっては、今まで今のビザ活動をしていなかったとして不許可となる場合があり、不許可になると一度母国などに帰国しないといけない場合があります。
その場合、一度ビザを切らして帰国して再度配偶者ビザを申請すれば、配偶者ビザの取得は可能ですが、日本にいたまま配偶者ビザに直接変更しようとする場合には、かなりハードルが高くなります。
交際期間が短い場合の対策とは?
ここまで交際期間が短い場合のリスクについて解説してきましたが、ここからは実際の対策についてご説明していきたいと思います。
交際期間が短い場合にできる対策としては、下記3つになります。
交際期間が短い場合の対応策
- 毎日、連絡を取り合っていることをアピールする
- 会う回数を増やす
- 交際期間をのばす
毎日、連絡を取り合っていることをアピールする
すぐに結婚して配偶者ビザを取得したいと考えると、「日々のコミュニケーションの濃密さ」をアピールすることが一番、許可率を上げられることになります。
このためには「毎日電話」していたり、メールしている履歴を提出するのが大切で、ここでのポイントは、「コミュニケーションがしっかりとれていること」になります。
証明方法としては、通話履歴を提出したり、LINEなどのコミュニケーションツールでやり取りしている画面のスクリーンショットを提出したりします。
LINEなどで翻訳できる機能を友達追加して会話している場合、問題ないですが、会話のつじつまが合っているかまで細かく確認していますので、会話の内容には注意してください。
そして、電話の時にはどのように会話しているのかなどもわかりやすく説明することが重要で、日本語が話せる場合は、なぜ話せるのかと言ったことも説明するとよいです。
会う回数を増やす
お相手が海外にいて、会った回数が少ない場合(2回以下など)は、「日本に短期滞在で呼ぶ」か「土日を使って相手の国に会いに行く」などすると審査で有利になります。
ここでの注意点は、日本に会いに来てもらう際に短期滞在で来日することになりますが、ビザ免除国でない国(例:中国・フィリピン・ベトナムなど)の場合は、短期滞在ビザを取得する必要があります。
短期滞在ビザには、「観光」「知人訪問(恋人訪問)」「親族訪問」「短期商用」の4種類がありますが、恋人に会いに来る短期滞在ビザは「知人訪問(恋人訪問)」になります。
ビザが取りやすいからと観光ビザで来日してしまうと、目的が観光なので、日本でデートを重ねたとしても、日本に来た目的は観光で、その間に少し会っていただけとなると、交際期間が短いカップルの場合には、審査で不利になる可能性があります。
なお、観光ビザで来日したが、実際は恋人と一緒にいたとなると、入国目的が虚偽だったと思われてしまう可能性もあります。
知人訪問(恋人訪問)であれば、確実に恋人に会いに来たというのがわかるので、数日などの短期間だったとしても、配偶者ビザの審査では評価してもらえます。
交際期間をのばす
すぐに結婚したいという想いが強いとは思いますが、確実に配偶者ビザを取得することを考えて交際期間6ヶ月を目安として交際を続ける方法もあります。
「結婚手続き」と「配偶者ビザ」は全くの別手続きになるので、結婚をしても配偶者ビザは不許可という事例も多くあります。
そうなると結果的に結婚はしたものの、日本で一緒に暮らせないということになり、再申請をするにしても初めての審査よりも審査期間が長くなる傾向にあるので、交際6ヶ月後に結婚し、配偶者ビザの申請をした方が早く日本に呼べるということが起きることもあります。
すぐに結婚したいという気持ちをおさえつつ、将来の話をしながら、交際期間をのばしつつ、短期滞在ビザで日本に呼び、会った回数も増やすという選択もよいかと思います。
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