配偶者ビザには貯金はどのくらい必要か?
日本の配偶者ビザを取得には「安定した収入」が必要です。
審査では収入の方が重要視されますが、「貯金」も審査では加点ポイントになります。
貯金は日本人配偶者のものでも、外国人配偶者のものでも問題ありませんが、いくら程度の貯金額があれば、配偶者ビザが取得できるのでしょうか?
目次
配偶者ビザにおいて貯金は重要?
「配偶者ビザを取るのには、いくら貯金が必要ですか?」というご質問をよくいただきます。
配偶者ビザ申請において、前提として「貯金」よりも「毎月の収入額」」の方が重要視されるため、貯金額があれば配偶者ビザを取得できるという認識は少し間違っています。
ですが、夫婦で海外在住の場合や、リタイアしている方など、配偶者ビザ申請時点において毎月の収入がない方もいると思います。
そういった方は、配偶者ビザの審査において貯金額をアピールすることが大切になってきます。
配偶者ビザで貯金が大切になる具体例
- 毎月の収入額に不安がある場合
- 日本での安定した収入が確保できていない場合
- 海外在住で日本に移住する場合
ちなみに収入は、日本国内のみだけでなく、海外で得られる収入でも大丈夫です。
そのため、海外の会社所属で、日本からリモート勤務する場合や、海外に不動産を持っていて不動産収入がある場合には、収入の証明ができれば問題ありません。
海外でも収入源がなく、これから仕事を探す場合や、仕事はしているがアルバイトなどで収入金額が少ない場合には、貯金額もアピールしていくことが必要です。
貯金の証明方法とは?
貯金の証明方法は「残高証明書」または「通帳のコピー」で提出します。
※残高証明書は、銀行で証明書を発行してもらえます。
その際の注意点としては下記になります。
貯金の証明の際の注意点
- 誰の口座の貯金がわかること
- 現金を一括で入金して、貯金額を多く見せないこと(見せ金とみられます)
銀行口座は複数あっても問題はありません。
ネットバンキングを利用している場合は、スクリーンショットを取ってコピーしてください。
また銀行口座以外にも、証券口座も資金の証明となりますので、銀行口座同様に、口座名義人がわかり、いくら資金があるかを証明してください。
誰の口座の貯金がわかること
銀行口座のコピーを証拠書類として提出する場合、残高ページのみをコピーする方がいますが、それだけでは、誰の口座かわかりません。
誰の口座なのかがわからないと証拠書類には使えませんので、「口座名義人がわかるページ」と「残高のページ」は少なくても準備してください。
また下記の内容とも関わってきますが、できれば貯金の金額が見せ金でないことの証明として、直近3ヶ月分の取引履歴も一緒に提出すると、どのように貯めてきたのかがわかるので、審査官も理解しやすくなります。
現金を一括で入金して、貯金額を多く見せないこと(見せ金とみられます)
通帳のコピーを提出する時に、大きい金額のお金を一気に入金してある履歴があると、「配偶者ビザの申請のためにお金を準備したのでは?」と疑われてしまいます。
当然ですが、見せ金では配偶者ビザの審査で加点ポイントを取ることはできません。
提出する口座は複数でも構いませんので、わざわざ1つの口座にお金をまとめる必要はなく、それぞれの口座情報を提出するようにしてください。
このお話をすると、「残高証明書であれば履歴は出ずに、残高のみ証明書に記載されるので大丈夫では?」とおっしゃる方もいますが、それは不正になる可能性が高いのでおやめください。
万が一入管から追加で通帳のコピーなどを求められて発覚すると、今後の審査に大きな悪影響が出てしまいます。
配偶者ビザで許可になる貯金額は?
入管では基準となる貯金額を公表していません。
ですが、目安としての考え方は「日本の物価で1年間、収入が0円でも生活できるだけの貯金額」というのがあります。
この金額は、家族構成や居住地によっても変わってきますので、明確にいくらとお伝えするのが難しいのですが、ビザプロでは家族4人・実家暮らしの場合で400万円以上が必要であると考えております。
家族2人・賃貸の場合も同じ400万円ほどが目安になってくるかと考えており、400万円あれば、1ヶ月の生活費が33万円なので、家賃を含めても生活できるラインではあるかなと思います。
仮に貯金金額が問題なかったとしても、配偶者ビザの審査は「収入額→貯金額」という順番で審査をしています。
そのため貯金金額があったとしても、配偶者ビザ取得後の生計のたて方の説明は必要になってきます。
貯金額の目安となる考え方
- 日本に持ち家はあるか?
- 何人家族なのか?
- 住む(住んでいる)地域はどこか?
日本に持ち家があるか?
配偶者ビザでは、「家賃を支払う必要があるか」によって求められる貯金金額が変わってきます。
持ち家とは、必ずしも日本人名義でなくても、ご家族名義の家に住む場合や、ご実家に住む場合も含めることができます。
家賃がかからない場合は、1ヶ月の生活費を下げることができますので、土地や建物の登記簿謄本を取得して、所有していることの証明をすることで、審査にも有利となります。
何人家族なのか?
お子様の有無でも、1ヶ月でかかる生活費が金額は変わってきます。
そのため、審査においても「夫婦2人」「子ども含めて4人家族」など、家族構成によって必要とされる収入額(貯金額)は変わります。
また子どもの年齢によっても、生活費は変わってくると思うので、子どもが大きいほど配偶者ビザで求められる金額も上がります。
※日本で子どもと一緒に生活する場合のみ子どもの生活費も審査対象になります。
住む(住んでいる)地域はどこか?
日本でも住む(住んでいる)地域によって物価が変わります。
東京が一番物価が高いので、東京にお住い(住む予定)の場合には求められる収入額(貯金額)も高くなります。
地域別の収入は、総務省統計局が出している世帯年収を基準として審査されていると言われていますので、細かく内容を知りたい方は検索してみてください。
貯金が0円でも収入があれば許可は取れる?
配偶者ビザの申請の審査では「貯金額」よりも「収入額」を重要視します。
そのため、ここまで貯金額についてご説明してきましたが「毎月の安定した収入」が確保されているのであれば、貯金額が0円でも配偶者ビザの取得は可能です。
そのため、今までのご説明してきた貯金額に届かない場合には、毎月の収入の確保をご検討いただければと思います。
毎月の安定した収入とは、日本国内のものだけでなく海外での収入も含むことができます。
安定した収入とみなされるもの
- 日本人の日本国内の収入
- 日本人の海外での収入
- 外国人の日本国内での収入
- 外国人の海外での収入
収入は、正社員などで働いて得る収入に加えて、不動産所得なども含めることが可能です。
収入を確保する方法について
いきなり正社員の仕事を探すのは難しい場合には、アルバイトやパートでも就職先を見つけることはとても重要です。
ただしアルバイトやパートの場合、シフトによって毎月の収入金額が変わってきますので、雇用契約書を締結する際に、例えば週4日勤務なのであれば、週4日勤務という表記を入れ込んでもらえないか聞いてみてもらえたらと思います。
雇用契約書に1週間の勤務日数が記載されていていれば、1ヶ月の概算給与が計算できますので、その金額によって毎月の安定した収入として判断してもらうことができます。
収入がない場合の対応策
- 就職活動をする
- アルバイトでも収入が確保できる証拠を作る
- 家族(親族)にサポートしてもらう
家族(親族)のサポートを受けることも有効ですが、家族からのサポートがあれば配偶者ビザが取得できるわけではありません。
実家に住み、収入がある家族から金銭的サポートをしてもらえるのであれば、生活費も問題ないと思いますが、一生家族からサポートしてもらうわけではないと思うので、今後の計画について説明することが重要です。
ただし将来の不確定事項については、入管の審査ではあまり評価してもらえないので、なるべく実現可能性が高い内容を記載して、証拠となる書類も一緒に提出できるのがベストです。
また病気などの問題で仕事ができない場合は、事情を説明し親族からの金銭的サポートを受けることで配偶者ビザの許可の可能性はありますが、生活保護を受けているとかなり厳しいので親族のサポートなどをもらってでも自立できる道を探していく必要がございます。