妊娠中の配偶者ビザ申請、審査は有利?飛行機は乗れる?など解説

妊娠している場合、配偶者ビザ申請は「審査が有利になるのか?」「飛行機はいつまで乗れるのか?」「出産は日本でできるのか?」など様々な疑問があると思います。
妊娠は審査に有利に働く傾向にありますが、状況によって変わってきます。
飛行機は、航空会社によって基準は変わりますが、「妊娠36週を超えると搭乗できない」ことが多いです。
奥様が妊娠していると、気にしないといけないことが多く出てくると思います。今回はそんな妊娠時の配偶者ビザ申請で、よくあるご質問について確認していきましょう。
目次
妊娠は配偶者ビザ申請で有利になるのか?
妊娠は配偶者ビザの申請で有利になり得ます。
ただし妊娠していれば、絶対に配偶者ビザが取れるという意味ではありませんのでご注意ください。
配偶者ビザ申請の審査ポイントは大きくわけて2つあります。
配偶者ビザの申請のポイント
- 結婚の信ぴょう性
- 生計の安定性
妊娠していることで有利になるのは、①の結婚の信ぴょう性です。
結婚の信ぴょう性において妊娠していると審査がスムーズにいきます。
簡単に言うと、「夫婦の婚姻関係が真実であるか(つまり偽装結婚ではないか)」の審査で妊娠の事実はプラスに働きます。
妊娠を証明するための資料とは?
妊娠していることを証明して審査を有利に進めるためには、「妊娠している証拠の書類」を提出する必要があります。
妊娠している証明の書類
- 病院発行の診断書
- 母子手帳など
一般的には病院発行の妊娠の診断書を発行してもらいます。
奥様が海外にいる場合には、海外の病院で発行してもらった診断書のコピーでも大丈夫です。
妊娠の診断書を発行してもらえない場合
海外の病院で妊娠の診断書を発行してもらえない場合は、他に入手できる書類を病院に確認してください。
例えば、エコー写真など、奥様の名前と妊娠していることがわかる書類を準備してください。
国によって対応方法は異なりますが、妊娠を証明したい場合は、証拠書類が必要になりますので、どんな書類であれば発行可能なのか病院に聞き、何かしら書類が出せるように確認してみてください。
妊娠している場合の注意点について
妊娠している場合、結婚の信ぴょう性は有利に働きますが、もう1つの審査ポイントである「生計の安定性」で問題となるケースがあります。
生計の安定性とは、「日本の配偶者ビザを取得した後も安定して生活を送っていくことができるかどうか」を審査します。
仮に子どもが産まれ、そのあとの生活が苦しくなり生活保護の需給を受ける可能性があるときには配偶者ビザの許可は出ません。
妊娠している場合は、仕事を続けることが難しいと思います。
日本人配偶者側、外国人配偶者側のどちらでも月額の収入があるのであれば、その収入の中でどのように生活を送っていく予定なのかを、別途理由書を作成して説明してみてください。
月額の収入がない場合
日本人配偶者と外国人配偶者のどちらにも月額の収入がない場合には、「日本での生活をどのように送る予定なのか」によって集める書類が変わります。
月額の収入がない場合の、今後の生計の立て方
- 外国人配偶者側が日本に来た後に就職先を探す
- アルバイトで生計を立てる
- 親のサポートを受ける
外国人配偶者側が日本に来た後に就職先を探す
日本に来た後に仕事を探すというのは、配偶者ビザ申請においては、不確定事項の部分が大きすぎるので、審査加点してくれません。
すでに内定がある場合には、「内定証」「雇用契約書」のコピーなどを提出できると、審査では有利になります。
日本に来た後に探したいと言った場合でも、海外にいる現在でも仕事を探しているという証拠を提出する必要があるため、エージェントや企業とやりとりしているメールのコピーなどを提出すると良いです。
アルバイトで生計を立てる
アルバイトの場合には、シフトによって給与が変わってきます。
そのため、理由書でシフトを増やしますと説明をしても、本当にシフトが増やせるのか会社の都合もあると思うので、不確かです。
そのためシフトを増やすなどの場合には、可能な限り勤務先より「シフトを増やした契約書」もしくは、「シフトを増やしたシフト表」などを作成してもらい、入管に提出するようにしてください。
親のサポートを受ける
実家で一緒に暮らすことで、家賃がかからないので、「生計の安定性」の審査において有利に働きます。
ただしずっと実家に暮らすわけではないと思うので、「日本での生活が安定し、就職先が見つかったら2人暮らしします」と言ったような計画であれば、その旨の説明も行っていきます。
妊娠中の場合、いつまで飛行機に乗れるのか?
妊娠中の方が飛行機に乗る際の基準は、航空会社によって変わります。
※妊娠初期の段階では特に搭乗制限が設けられていることはないので、体調と相談して飛行機に乗ることができます。
制限がかかるのは世界的には「妊娠36週を超えると搭乗できない」としている航空会社が多いです。
妊娠36週を超えていても「医師による診断書があればOk」といったケースや、「医師の同伴があればOK」といったケースなど様々ありますので、該当する航空会社に事前に確認をお願いいたします。
安定期のうちに日本に来れるように手続きを進める
海外に住んでいる妊娠中の奥様を日本に呼ぶには、安定期に入った妊娠16週~27週目が良いとされています。
そのためこのタイミングで日本に来れるように日本での配偶者ビザの手続きを進めていきます。
配偶者ビザの審査期間は、東京の場合で2か月~3か月程度、地方の場合は1カ月~2か月程度が目安となります。
また配偶者ビザの申請は結婚手続き後に可能となり、国際結婚の結婚手続きは国よっては異なりますが、少なくても1カ月以上はかかると考えておきましょう。
ざっくり計算ですが、結婚手続きから含めると、遅くても日本に来たい4カ月以上前から手続きを進めるようにしてください。
配偶者ビザの流れと審査期間の詳細はこちらからご確認いただけます
出産前に短期滞在で日本に呼ぶこともできるか?
配偶者ビザの申請準備が遅れてしまった場合、結婚手続きが終わっているのであれば、「短期滞在(親族訪問)」で日本に先に呼んで出産をさせることも可能です。
ただし短期滞在(親族訪問)は、観光ビザのように帰国することを前提で出ている臨時のビザなので、注意点がいくつかあります。
短期滞在で来日した場合の注意点
- 健康保険が使えない
- 短期滞在から配偶者ビザへの申請は必ずできるものではない
健康保険が使えない
短期滞在ビザは、帰国することを前提に出ているビザなので、日本国内で健康保険の加入ができません。
そのため日本の医療で治療等したい場合は、費用が100%実費になってしまいます。
病院によっては、この後配偶者ビザを取得する予定と伝えれば、臨機応変に対応してくれたり、配偶者ビザ取得後に手続きすれば7割(3割負担)が戻ってくることもできるようです。
この手続きは、奥様の来日前に病院に確認するようにしてください。
短期滞在から配偶者ビザへの申請は必ずできるものではない
短期滞在から配偶者ビザに変更することは、法律上原則不可となっています。
ただし特別な事情がある場合には認めてくれることがあり、「妊娠」「出産」と言った場合には認めてもらえることが多いです。
ただし絶対ではないので、入管と相談しないといけないので、短期滞在で来日し、短期滞在から配偶者ビザに変更したい場合には、専門家に相談しながら進める方法をお勧めいたします。
出産後、子どもの国籍はどうなる?
父親または母親のどちらかが日本国籍であれば、出生地に関係なく産まれた子どもは日本国籍の取得ができます。(血統主義)
そのため産まれた子どもは、日本と外国の国籍の二重国籍になることが多いです。
日本では二重国籍は認めていないですが、子どもの場合は22歳までに国籍選択をすれば良いというルールになっていますので、成人になってから子どもが自分で選択できます。
簡単に言うと、「22歳になるまで二重国籍が認められる」という認識で大丈夫です。
※日本国籍の条件は、日本で出生した場合は出生から14日以内、海外で出生した場合は、出生から3か月以内に出生届を提出することが必要です。