高度専門職ビザのポイントが下がってしまった場合の永住申請について

高度専門職ビザを取得した後に、70ポイント以下になってしまった場合でも永住申請はできるのでしょうか?
高度専門職ビザでは、70ポイント以上で最短3年、80ポイント以上で最短1年で永住申請ができます。
ただし、年齢や年収でポイントを取得している人は、時期によって高度専門職ビザ取得時よりもポイントが下がってしまうことがあります。
今回は、高度専門職ビザで永住申請する際、ポイントが高度専門職ビザ取得時よりも下がってしまった場合について解説していきます。
目次
監修者

-
行政書士法人フォワード
塩野 豪 GO SHIONO行政書士 Immigration Lawyer
フィリピン・カナダに合計5カ月居住し、海外での生活の大変さを知る。
その後、2016年に行政書士として独立して、ビザ申請代行サービス「ビザプロ」を開始する。
その後、累計400社・45か国以上の方の在留資格(ビザ)サポートを行う。
その他にも、日本法人の設立などのサポートを行い、外資系の日本進出コンサルティングも行っている。
人材紹介会社・管理団体・専門学校等とも顧問契約を結び、入管業務に特化したコンサルティングサポートを展開し、セミナー講師も積極的に行っている。
高度専門職ビザのポイントは申請時が審査基準となる
高度専門職ビザを取得するためには、高度専門職ポイント計算表において、70ポイント以上あることが必要となります。
ポイントの中には、「年齢」や「年収」といった加点項目があるため、場合によっては高度専門職ビザ取得後に70ポイント以下になってしまうことがあります。
高度専門職のシステムでは、「高度専門職ビザを取得した後も引き続きポイント合計が70ポイント以上を維持しないといけないわけではありません。」
高度専門職ポイントが減ってしまう具体例
- 申請時は、年齢が29歳で15ポイント獲得できたので70ポイントだったが、1年が経ち30歳になり、獲得できるポイントが10ポイントになってしまったことで、合計ポイントが65ポイントになってしまった。
- 申請時には、年収が400万円あったので10ポイント獲得でき70ポイントだったが、営業成績が下がり、年収390万円に減ってしまい、ポイント10ポイント獲得できなくなり、ポイントが60ポイントになってしまった。
高度専門職ビザ取得後にポイントが減っても特に手続きは不要
高度専門職ビザ取得後にポイントが減り、70ポイント以下になってしまっても「特に手続きは不要」になります。
ただし、70ポイント以下のまま5年間過ごしてしまうと、入管としての評価はあまりよくないようで、高度専門職1号ロの場合には、技術・人文知識・国際業務ビザに変更するなどの検討をされるようにしてください。
ちなみに高度専門職ビザで絶対に変更手続きが必要となるケースは「転職の時」になります。
転職した際には、ポイントの有無に関わらず、高度専門職ビザの変更申請をする必要があります。
高度専門職ビザの外国人が転職した際の手続きの詳細はこちらから確認いただけます。
永住申請では、ポイントが維持されていることが求められる
高度専門職ビザを取得した後にポイントが70ポイント以下になってしまっても違法性はありません。
そして高度専門職ビザで70ポイント以上保有していれば最短3年、80ポイント以上保有していれば、最短1年で永住申請ができます。
ただし永住申請では、この期間中に「ポイントが維持できていたかを審査」します。
途中でポイントが減り、高度専門職ビザとして該当していない時期があったとなると、高度専門職ビザの居住要件のメリットが使用できなくなります。
例えば、高度専門職ビザを70ポイントで取得した場合、年齢があがり2年後にポイントが65ポイントになってしまいました。
この場合、高度専門職ビザで70ポイント保有していれば、3年後に永住申請できるメリットがあるのですが、永住申請の審査の中では今はもう70ポイントないので、3年で永住申請できるメリットは使えませんと判断されてしまいます。
永住権を取得するメリット
高度専門職ビザでも他の就労ビザと比べると優遇措置は多くありますが、永住権を取得できるといくつかメリットがあります。
永住権を取得するメリット
- 就労制限がなくなる
- 在留期限がなくなる
- 社会的信用があがる
他にもいくつかありますが、「上記3つが魅力あるメリット」になります。
高度専門職ビザだと、限られた会社でしか働けないです。
また、自分で会社を経営しようと思った際にも銀行から資金調達がしづらいです。
永住権であれば、日本人と同じように銀行からも見てもらえるので、融資も受けやすくなります。
在留期限も高度専門職ビザの場合は5年と決まっていますが、「永住権の場合は無期限」です。
ただ在留カードの更新はあり、7年に一度更新手続きが必要ですが、審査などはなく申請書と証明写真を提出するだけで更新ができます。
高度専門職ビザの場合は、在留期限が5年と決まっており、その後ビザが更新できない可能性もあるため、銀行からの融資や住宅ローンなども組みづらいです。
一方、永住権は在留期限がなく日本に住み続けられるので、社会的信用があがり、将来のことも考えて日本人と同じように人生設計を立てることができるようになります。
記事公開日: