配偶者ビザ

配偶者ビザと永住権の違いについて

日本人や永住者と結婚した外国人が日本に住む場合、ビザ(在留資格)が必要です。

日本人と結婚した場合は、一般的には配偶者ビザと言われる「日本人の配偶者等」と言うビザを申請しますが、永住権と何が違うの?と思われる方もいると思います。

また、最初から永住権が欲しいと思われる方もいるかもしれませんが、いきなり永住権は取得できませんので、まずは配偶者ビザと永住権の違いを知っておくことが大切です。

そこで今回は、配偶者ビザと永住権の違いについて、細かくご説明していきたいと思います。

配偶者ビザと永住権の違いは?

「配偶者ビザ」と「永住権」は全く別のビザ(在留資格)になります。

まず最初に配偶者ビザと永住権の大まかな違いについて見ていきましょう。

配偶者ビザとは

日本人や永住者と結婚して、日本で一緒に住むために取得するビザ(在留資格)です。

永住者とは

永住権は、配偶者ビザなどで日本に何年か住んだ後に申請ができ、ビザの更新がなく日本にずっと住むことができるものです。

名称 配偶者ビザ 永住権
正式名称 日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
永住者
対象者 日本人の配偶者
実子
特別養子の子
元日本人
法務大臣が認めたもの
在留期間 6月、1年、3年、5年 無期限

(7年に1度、在留カードの書き換えあり)

ビザの更新 必要 不要
就労制限 なし なし
離婚・死別の場合 ビザの変更が必要 特になし
国籍 お相手の国籍のまま お相手の国籍のまま

ビザの年数と更新手続きについて

配偶者ビザと永住権では、就労制限がなく自由に生活ができる点では同じですが、大きな違いとしては、「ビザの更新が必要か不要か」になります。

配偶者ビザは、「6月・1年・3年・5年」の4種類の期間のビザの種類があり、入管の審査で年々のビザがもらえるかが変わってきます。

一般的に新婚の場合は、1年→1年→3年→5年の順番で長い年数の配偶者ビザがもらえるようになり、配偶者ビザである限りビザの更新が必要になります。

一方、永住権は、ビザの更新手続きはないので、仮に離婚や死別をしても日本で生活し続けることが可能です。

しかし永住権の在留カードの有効期限は7年となっているので、日本人の免許証と同様に7年に1度、証明写真を変えたりする書き換え作業があります。(一般的には有効期間の更新と言います)

この有効期間の更新には審査はありませんので、当日に新しい在留カードが発行され、この記事の作成時点では、自宅に有効期間の更新手続きの案内ハガキが家に届くので、この書き換え作業のみ忘れなければ、ずっと日本に暮らすことができます。(今後ハガキの送付は廃止される予定です)

日本人と離婚・死別した場合

配偶者ビザと永住権は、日本人と離婚や死別した場合にも違いがあります。

配偶者ビザは、あくまでも日本人の配偶者と日本で一緒に暮らすために許可されているビザなので、日本人の配偶者と離婚や死別してしまった場合には、配偶者ビザを他のビザに変更するか、国に帰る必要があります。

他のビザに変更できるかは状況によりますが、配偶者ビザで3年以上暮らしている場合は、他のビザに変更できる可能性が高いです。

一方、永住権の場合は、日本に永住できるビザになるので、日本人配偶者は関係なく、離婚や死別したとしても、ビザの手続きは何も必要ありません。

配偶者ビザを取得するためには?

それでは配偶者ビザを取得するための条件についても見ていきましょう。

配偶者ビザは、外国人の配偶者と日本で一緒に生活するためのビザですが、結婚したら必ずもらえるものではありません。

日本の配偶者ビザを取得するためには条件があり、それらをすべてクリアしている必要があります。

配偶者ビザを取得の条件

  1. 法律婚をしている(日本と相手国の両方において)
  2. 実態を伴った結婚であること
  3. 日本での生活において安定した資金が確保できていること
  4. 同居すること

前提として、日本では事実婚は認められておらず、法律婚をどちらの国でもしている必要があります。(フィアンセビザもありません)

そしてこの中で重要なのが、③の収入部分です。

特に海外在住の場合、日本で配偶者ビザを取得して日本に行った後に仕事を探そうと考えている人も多いと思いますが、配偶者ビザでは先に日本での収入を確保していることが求められています。

そのため、日本帰国後の仕事が何も決まっていない場合は就職先を決めるなど、今後の計画を明確にしてから申請する必要があります。

永住権を取得するためには?

こう聞くと、配偶者ビザではなく永住権を取得したいと思われる方も多いと思いますが、永住権はいきなり取得できるわけではありません。

永住権を申請するためには様々な要件があり、その1つに「居住要件」があります。

永住申請の居住要件(日本人と結婚している場合)

実態を伴った婚姻が3年以上継続し、引続き1年以上日本に在留していること

永住申請の居住要件(一般の外国人)

引き続き10年以上日本に在留していること(そのうち就労可能なビザを持って直近5年以上働いていること)

こちらを見ていただいた通り、日本人と結婚している場合には、永住権の取得がしやすい制度になっていますが、最低でも結婚生活が3年以上と、日本への居住が1年以上必要になります。

例えば、新婚の場合で結婚後日本で一緒に暮らしている場合は、日本でビザを取得して一緒に暮らし始めてから3年後に居住要件がクリアされます。

結婚後、海外で生活していた場合は、海外での居住年数にもよりますが、3年以上ある場合は、日本のビザを取って一緒に暮らし始めてから1年後に居住要件がクリアとなります。

居住要件の他にも、永住申請には「ビザの年数」「収入要件」「出国要件」「納税状況」「素行要件」「身元保証人」など多くの要件がありますので、詳細を見ていきましょう。

ビザの年数

永住権を申請するためには、今持っているビザの年数も関係してきます。

配偶者ビザの場合、6月。1年・3年・5年の4種類の期間がありますが、永住申請をするためには「3年」または「5年」のどちらかのビザである必要があります。

収入要件

収入要件は、永住申請の中で厳しい要件の1つです。

具体的な収入金額は公表されていないものの、配偶者ビザから永住申請する場合の収入金額の目安をご説明します。

夫婦2人の場合、最低年収は300万円です。

この金額はギリギリのラインの金額であり、日本の物価等に基づいて計算されている金額なので、居住エリアや申請時期によって変わってきます。

また子どもがいる場合は、扶養家族1人につき、プラス70万円ほどの収入がないと審査に引っかかる可能性があります。

配偶者ビザの場合、収入金額は世帯年収で見て問題ありませんが、申告上の数字に基づいて審査されるので注意してください。

出国要件

出国要件は、最初にご説明した居住要件に関わってくるのですが、配偶者ビザの場合、結婚して3年、日本に引き続き1年以上の居住とお伝えしました。

この文言の「引き続き」という言葉には、海外への出国が少ないことという意味が含まれています。

出国要件

  1. 1回の出国で3か月以内の出国
  2. 1年間で合計100日以内の出国

上記以上の出国がある場合は、配偶者ビザは問題ないですが、永住申請においては引き続き日本に住んでいるとは考えづらいとして不許可のリスクがあります。

また1年間というにも1月~12月のことではなく、いつの期間を切り取っても1年なので、出国日数には注意してください。

納税状況

納税状況も審査対象で、「住民税」「所得税」の支払状況が審査対象になります。

支払っているのは当然として、遅延についても頻繁にあると審査で引っかかります。

また、税金ではないですが、「社会保険」も審査され、「社会保険」「年金」の支払いも直近2年間において遅延・未納がないかチェックされます。

ここでの審査対象は、外国人だけでなく日本人側も審査されますので、将来的に永住申請を考えておる場合は、口座振替などにして支払い忘れがないようにしておきましょう。

素行要件

素行要件として、犯罪歴についても注意が必要です。

懲役・禁固・罰金・過料などはわかりやすいですが、犯罪歴には駐車違反も含まれますので、駐車違反やシートベルト忘れなどの違反にも注意してください。

軽微な交通違反については、2年以内に2回、5年以内に3回あると要注意となります。

その他の犯罪歴がある場合には、刑の執行が終わってから数年が経たないと永住申請ができなくなってしまいます。

犯罪歴について 

  • 懲役刑、禁固刑の場合→刑期終了後10年経過
  • 執行猶予付がついている場合→猶予期間が満了してから5年経過
  • 罰金・科料の場合→支払いを終えてから5年経過

上記が一般的な刑期終了後に必要な年数となります。

身元保証人

永住申請をする場合には、身元保証人が必要になりますが、配偶者ビザから永住申請をする場合には、日本人の配偶者が身元保証人になる必要があります。

仮に日本人の配偶者の配偶者が身元保証人になりたくないといった場合には、配偶者ビザから永住権の申請は難しくなります。

理由としては、配偶者ビザは日本人配偶者と一緒に日本で暮らすビザで、日本人の配偶者としての要件で永住申請するため、日本人配偶者が協力してくれないということは、そもそも配偶者ビザの要件に該当しないのではとなってしまうからになります。

なお、身元保証人の保証範囲ですが、こちら連帯保証とは異なり、道義的保証と言い、保証も努力義務となっています。

身元保証人の保証範囲

本人が本邦に在留中、 本邦の法令を遵守し、 公的義務を適正に履行するため 必要な支援を行うこと

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