短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は認められるのか?注意点と申請方法について説明
短期滞在ビザから配偶者ビザに変更するには、日本にいながら配偶者ビザへ切り替える特別な理由が必要になります。
短期滞在から他のビザに変更することは、原則、法律で禁止されていますので、入管の職員から事情を聴かれます。
ビザプロでも多くお問い合わせをいただき、サポートさせていただいている内容になりますので、内容を細かくご説明させていただきます。
目次
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更が難しいと言われる訳
短期滞在(知人訪問・親族訪問・観光ビザ)の「短期滞在から配偶者ビザに直接変更するのは法律上禁止されている」ので、難しいとされています。
これは配偶者ビザに関わらず、全てのビザ(在留資格)において短期滞在から直接変更することは禁止されているからになります。
ただ、法律上には続きがありまして「特段の事情がある限りはこの限りではない」と記載があり、何か特別の事情がある場合には、短期滞在からの変更申請が認められるようなっています。
配偶者ビザへの変更が認められる「特段の事情」とは何か?
特段の事情とは、一般的には下記の内容が含まれるとされています。
特別の事情にあたる内容
- 日本人と結婚した場合
- 小さな子どもがおり、日本で養育する必要がある場合
- 妊娠等で飛行機に乗れない場合
- 病気で日本で治療する必要がある
- 戦争やウイルスの流行などで飛行機が飛ばない
上記のように特段の事情があるのかは、総合的に入管が判断します。
この判断は入管の場所によって異なり、東京入管では短期滞在から配偶者ビザへの変更を求めてもらうには、「事前に交渉と説明文章の提出」が必要になります。
入管での交渉や説明文章を間違えてしまったり、入管の場所や担当者によっては「審査が厳しくなる」や「できません」と言われることもあり、入管で断られてしまうと一度帰国しないといけなくなってしまいます。
そうならないためにも、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請は、是非行政書士に依頼をすることをお勧めしています。
短期滞在ビザは90日である必要がある
短期滞在ビザは、「15日」「30日」「90日」の3種類があります。
この中で配偶者ビザへ変更が認められるのは「短期滞在90日」のみになり、15日と30日の短期滞在の場合は、原則認められません。
よっぽどの事情があれば15日や30日の短期滞在ビザでも認めてもらえる可能性もありますが、特例期間の対象外となるので、基本はできないとお考え下さい。
特例期間とは?
特例期間とは、「31日以上のビザ」を持っている外国人が、ビザの変更の申請を提出して受理された際には、在留期限が過ぎてしまっても「結果が出るまで」または「在留期限が最長2か月」自動延長とされるというものです。
そして審査結果は、この特例期間中に必ず出されるとなっていて、審査中に在留期限が過ぎてしまってもオーバーステイにはなりません。
ちなみに特例期間に入るために、何か申請が必要はなく、特例期間に入った旨の証明書などもありません。
特例期間については、「31日以上のビザが対象」なので、短期滞在の30日と15日は対象外となってしまいます。
また配偶者ビザの審査は2か月~3か月ほどかかりますので、短期滞在90日で来日して短期滞在中に申請が受理された場合は、特例期間に入ることが多くあります。
15日・30日の短期滞在ビザの場合は要注意
今まで90日の短期滞在でないと配偶者ビザへの申請は認めてもらえないとお伝えしてきましたが、15日・30日でも入管に相談して認めてもらえれば申請は可能です。
しかし、90日の短期滞在に比べると、特例期間がないので、短期滞在ビザの15日または30日以内に審査を終わらせる必要があるため、交渉はかなり難しくなり、どうしても帰国できない理由が明確でないといけません。
短期滞在から配偶者ビザへの申請方法は2パターン
日本に短期滞在にている間に配偶者ビザに変更する方法は2パターンあります。
申請方法は2パターン
- 配偶者ビザに直接変更申請をする方法(在留資格変更許可申請)
- 日本にいながら海外から呼び寄せる申請をする(在留資格認定証明書交付申請)
今までご説明してきたのは①の変更申請になります。
その他にも、海外から呼び寄せる申請(認定証明書交付申請)も短期滞在中であったとしてもすることができます。
短期滞在ビザのまま配偶者ビザに変更したい場合は、①の変更申請を受理してもらえるように進めるのが一般的ですが、短期滞在ビザから直接の配偶者ビザへの申請が難しい場合には、②の認定証明書交付申請をしてから短期滞在中に認定証明書がおりれば、認定証明書を使用して再度変更申請をするということもできます。
配偶者ビザに直接変更申請をする方法(在留資格変更許可申請)
ビザプロでは、短期滞在から配偶者ビザへの直接の変更申請を100%交渉成立させています。
入国管理局の場所によっては相談窓口がないので、直接申請窓口で短期滞在ビザから配偶者ビザに変更する理由を説明します。
配偶者ビザへの変更申請交渉のポイント
「なぜ帰国してから配偶者ビザを申請するのではなく、短期滞在中に配偶者ビザに変更したいのか?」
上記の質問への回答を準備し、必要書類もすべて持って入管の窓口で説明・交渉する。
日本にいながら海外から呼び寄せる申請をする(在留資格認定証明書交付申請)
配偶者ビザに直接の変更申請できない場合には、短期滞在で来日中だとしても海外から呼び寄せる申請(認定申請)は可能です。
認定申請は、入国管理局の場所によって審査期間も変わりますが平均2~4ヶ月ほどかかります。
認定申請のポイント
上記で説明した変更申請との違い、「特例期間の対象外となり在留期限は延長されない」
認定申請の場合は、申請中に短期滞在の期限が過ぎてしまう場合には日本から出国する必要があります。
ただし、短期滞在の在留期間内に許可が出て認定証明書がもらえた場合、その認定証明書を使いもう一度「在留資格変更許可申請」をすることで日本から出国することなく日本で配偶者ビザを取得できます。
この「変更申請」が認められると、特例期間の対象となりますので、在留期限が過ぎても2ヶ月自動的に延長され、結果が出るまで日本にいることができます。
ビザプロの成功事例(短期滞在から配偶者ビザへの変更申請)
ビザプロが今まで短期滞在からの配偶者ビザへの変更申請を行った事例を4つご紹介していきます。
Case1. タイ人の配偶者が15日の短期滞在(ノービザ)で来日
タイ人の方でビザ申請が不要な15日のビザで来日し、そのまま最速で結婚手続きを済ませ配偶者ビザの変更申請した事例です。
短期滞在15日からの配偶者ビザ変更だったので、入管からは審査がかなり厳しくなると言われましたが、無事に許可になりました。
Case2. 中国人配偶者が30日の短期滞在のマルチビザで来日
単発(シングル)の短期滞在でなく、年間に何回も来れるマルチの30日の短期滞在ビザを持っている中国人配偶者が来日しました。
来日後に結婚手続きを済ませ、配偶者ビザの変更申請をし無事に許可になりました。
Case3. アメリカ人配偶者が90日の短期滞在(ノービザ)で来日
アメリカ人は日本にビザ申請することなく入国できますので、そのまま短期滞在90日で来日しました。
結婚手続きはすでにアメリカにいる時に済ませており、来日後に配偶者ビザへの変更申請をし無事に許可になりました。
Case4. フィリピン人配偶者が90日の短期滞在で来日
90日の知人訪問の短期滞在ビザを取得した後、日本で結婚手続きをしました。
フィリピン側の結婚手続きに時間がかかり、在留期限ギリギリで配偶者ビザの変更申請を行い特例期間中に無事に許可になりました。