永住権

永住申請の理由書の書き方とは?構成と例文あり

外国人が日本で永住申請をする際には「理由書」の提出が必要になります。

永住申請の理由書とは「なぜ日本の永住権が欲しいのか」を説明するもので、審査において重要な書類になってきます。

理由書にはフォーマットがないため、自由に書けるメリットはありますが、どのように書いていいか難しい側面もあります。

そこで今回は、永住申請の際の理由書の書き方について解説していきます。

永住申請で理由書が必要な人と不要な人とは?

永住申請の際の理由書の提出は、すべての外国人に必要というわけではありません。

今持っているビザ(在留資格)の種類によっては、理由書が不要になる場合があります。

それは身分系のビザ(在留資格)と言われる中の「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のビザ(在留資格)を持っている外国人は理由書の提出が不要になっています。

理由としては、日本人の配偶者または永住者の配偶者の場合は、配偶者がすでに日本人または日本の永住権を持っている場合に取得できるビザ(在留資格)であり、日本に永住したい理由が明確であるためです。

その他、就労ビザや定住者ビザなどの外国人の場合には、永住申請時における理由書の提出は必須になります。

理由書はどのように書けばいいのか?

理由書を作成するにあたり、記載しないといけない内容がいくつかあります。

まずは記載すべき内容について確認していきましょう。

理由書に記載するべき内容

  1. 来日してから今日までの経緯
  2. 現在の「就労状況」と「生活状況」
  3. 「年金」と「健康保険」の支払い状況
  4. 永住権を取得したい理由

ここからは、上記項目について具体的にどのような内容を記載するべきなのか解説していきます。

来日してから今日までの経緯について

まず最初は「経歴」について記載していきます。

「どこで生まれて、なぜ日本に来たのか?日本ではどのような活動をしていたのか?」を順序だてて記載していきます。

その中には、海外(母国など)での最終学歴や日本での仕事の経歴も書いていきます。

原則、永住権は日本に来てから10年経っていないと申請できないので、日本に来てから10年についても記載します。

ここでの注意点としては、今までのビザの変更申請や更新申請の際に入管に提出している内容と相違がないようにすることです。

真実に基づいて記載すればズレは生じないと思いますが、経歴の説明の箇所で、今まで入管に提出していた内容と矛盾があると、審査に影響してしまいます。

現在の「就労状況」と「生活状況」について

続いて、就労状況と生活状況については、「現在の仕事内容について」および「今どのような生活をしているのか」を説明していきます。

永住権申請の要件には「独立して安定した生活ができること」とあり、安定して収入があることが重要になってきます。

そのため、来日から今までの仕事の状況について記載する必要があり、「働いている会社名」「仕事内容」「収入」などについて記載しします。

就労状況についての記載事項

  1. 勤務している会社名前
  2. 役職
  3. 仕事内容
  4. 月収と年収
  5. 働き始めた時期
  6. 同僚や上司との関係性
  7. 将来について

「年金」と「健康保険」の支払い状況について

近年は直近5年分の社会保険(年金と社会保険)の支払いについて厳しく審査されるようになっています。

そのため理由書において、年金と健康保険の加入状況と支払い状況についても記載していきます。

この項目は、会社で社会保険に加入していて、給与から天引きされている場合は、特に年金と健康保険についての説明は不要です。

年金と健康保険の説明が必要な人は、「国民年金」「国民健康保険」に加入している人になります。

永住申請の審査では、支払っているのは当然として、支払いの遅れ(遅延)などについても細かく確認しています。

なので、直近5年の間に納付の遅れがある場合は、その理由も説明しておいたほうがよいです。

支払いの遅れは1回や2回程度であれば、理由次第で大丈夫ですが、多く支払いが遅れてしまっている場合には審査に影響してきますので、口座引き落としなどを利用して支払い遅れが起きないようにしておくことが必要になります。

永住権を取得したい理由について

理由書で一番の重要ポイントとなるのは「なぜ日本で永住権を取得したいのか」の説明です。

「異国の地である日本に、なぜ住み続けたいのか?」の理由があると思いますので、その内容を説明していきます。

永住権を取得したい理由の説明内容

  1. 日本でなければならない理由
  2. 日本を選んだ理由

上記の内容を中心に記載し、今後も日本で生活していきたい想いを伝えていきます。

最後には「私の生活基盤は日本であり、今後も日本国の住民として法律を遵守し、勤勉に働き、誠実に暮らしていく所存でございます。」という文言で締めくくるのが一般的です。

理由書は日本語でないとダメ?

理由書は原則「日本語」で書きます。

日本語がわからない場合は、英語などの母国語で記載しても大丈夫ですが、別途日本語訳が必要になります。

また日本語がわからないからと言って、友達など日本語ができる人に代わりに書いてもらうのはやめてください。

理由書は外国人本人が自分で作成するようにしてください。

そのため、日本語に不安がある方は、日本語ができる友人などに添削をしてもらうと良いと思います。

ネットにある定型文はあまり使用しないこと

インターネット上には、永住申請の理由書の定型文がいくつか存在します。

フォーマットを参考にするのはいいですが、ご自身の内容に変更して使用してください。

明らかに定型文とわかる内容であったりすると、審査官も本当の永住申請の理由がわからず審査で不利になる可能性があります。

定型文を利用する際は、参考にして自分の言葉に置き換えて使用するようにしてください。

作成はパソコンでも手書きでもOK

理由書の作成において、「パソコン」でも「手書き」でもどちらでも大丈夫です。

ただしパソコンだと第三者が作成した可能性もあるので、最後には手書きで作成者のサインをするようにしてください。

すべて手書きで作る場合は、ちゃんと読みやすいようにキレイに書くようにしてください。

字が汚く読みづらい場合は、審査上必要な情報が読み取れず審査が遅れてしまう原因にもなり得ます。

記載例について

上記にて説明してきた内容を記載例としてまとめていきます。

あくまでも例になりますので、この内容を参考に自分の言葉に変えて理由書を作成してみてください。

法務大臣殿

理由書

私は中国国籍の〇〇〇〇と申します。今回、「永住者」の在留資格を申請させていただくにあたり、これまでの経緯と申請理由にについて説明させて頂きます。

 

来日してからこれまでの経緯について

私は中国〇〇出身で、〇〇大学を卒業後、日本語を学ぶ為、〇〇年日本語学校に通うために来日しました。日本語学校卒業後は、〇〇大学に進学し、〇〇について勉強し〇〇についての専門知識を習得いたしました。同校を卒業後は、株式会社〇〇に入社し、現在まで勤務をしております。

 

仕事の状況について

私は現在、株式会社〇〇にて〇〇担当として働いております。会社では、大学で勉強した〇〇の知識を活かして、少しでも早く株式会社〇〇に貢献できるように働いてきまして、現在は〇〇という役職に就き日々勉強になることも多く、充実した日々を送っております。同社は〇〇年〇月より勤務しており、〇年以上が経過しています。会社の同僚や上司との関係も非常に良好で、わからないことは助けていただき、私が協力できることは協力して、仕事に対して非常にやりがいを感じながら働いております。今後も同社のますますの発展の為に、より一層仕事に励んでいく所存です。

給与に関しては月額〇〇円で、賞与含めて年収は〇〇となっております。将来については、同社にて〇〇の役職に就き、中国と日本のかけ橋となる存在となり、同社と中国との取引をより一層強化させていきたいと考えております。

 

申請理由について

私は〇〇年〇月から日本に居住しており、今年で10年目になります。学生時代や職場で出会った友人や同僚・上司など、多くの方に支えられて今の私があります。中国に住んでいたころにあこがれた日本の奥ゆかしさを感じ、今まで私が支えられたように、私もこれから少しでも恩返しができるように頑張っていきたいです。

私の生活の基盤は日本であり、今後も日本国の住民として法律を遵守し、勤勉に働き誠実に暮らしていく所存でございます。

 

上記のような理由で「永住者」の在留資格を申請させて頂きました。何卒永住者の許可を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

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