スペイン人との結婚手続き方法
スペイン人との結婚手続きでは、日本とスペインの「どちらの国でも」結婚手続きを行う必要があります。
スペイン人が日本に住んでいるのであれば、日本から先に結婚手続きをした方がスムーズではありますが、スペインに住んでいる場合は、スペインから先に結婚手続きをすることになります。
そこで今回の記事では、日本から先に結婚手続きを行う場合(日本方式)と、スペインから先に結婚手続きを行う場合(スペイン方式)の結婚手続きの両方をご紹介していきます。
日本方式での結婚手続き(日本から先に結婚手続きする場合)
※地域によって手続き方法が異なる場合がありますので、事前に確認をお願いします。
日本で先に結婚手続きをする場合は、下記Step4の時点で、日本人が日本に6ヶ月以上居住しているか、またはスペイン人が日本で居住許可を得ている(在留カードを持っている)ことが必要になります。
Step.1 スペイン人の書類をスペインで用意する
まず初めに、そしてスペイン側で集める書類は、すべて発行から3ヶ月以内のものが必要になるので、取得後は早めに手続きを進めていく必要があります。
では実際にどういった書類が必要かと言うと、スペイン人の「出生証明書」「住居証明書」「離婚判決証明書(離婚歴がある場合)」「死亡証明書(死別した場合)」が必要になります。
スペイン人の出生証明書(CERTIFICADO LITERAL DE NACIMIENTO)は、スペイン本国の市民登録局で取得しますが、出生証明書には抄本と謄本があるので、「謄本」の方を取得します。
申請は、オンラインでできますが、日本に直接は送ってくれないので、スペイン在住の親族などにお願いすることになります。
住居証明書(ERTIFICADO DE EMPADRONAMIENTO)は、過去2年間以上スペインに住んでいたことがわかる書類が必要になります。
こちらも基本オンラインでの申請が可能ですが、居住していた市区町村により対応が異なるので、対象の市区町村に確認する必要があります。
Step.2 日本人の戸籍謄本と住民票を取得する
スペイン人の方の必要書類の手配を済ませたら、次に日本人側の必要書類を集めていきます。
日本人側の必要書類は、「戸籍謄本」と「住民票」になり、これらの書類も発行から3ヶ月以内のものが有効になります。
戸籍謄本は、日本人の本籍地で取得可能で、取得した戸籍謄本には、「スペイン語訳をつける」必要があります。
スペイン語訳は、どなたが訳しても大丈夫ですが、手書きの翻訳は認められていませんのでパソコンで作成するようにしてください。
住民票はスペイン人と同様に、過去2年間居住した内容の住民票がが必要になり、住民票も「スペイン語訳が必要」になります。
Step.3 アポスティーユ(外務省認証)する
日本人の戸籍謄本と住民票を取得したら、「日本の外務省でアポスティーユ(認証)」を行います。
アポスティーユとは、外務省印を押してもらうことで、海外に提出する日本発行の書類が本物であることを証明するために行う手続きになります。
アポスティーユは、直接外務省に行くか、郵送でも手続き可能ですが、直接行ってもアポスティーユ済の書類がもらえるのは翌日以降になります。
Step.4 スペイン人の「婚姻要件具備証明書」を取得する
必要書類が揃ったら、「日本にあるスペイン大使館でスペイン人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)を取得」します。
婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
婚姻要件具備証明書を取得するための必要書類
スペイン人の必要書類
- 出生証明書(CERTIFICADO LITERAL DE NACIMIENTO)
- 居住証明書(ERTIFICADO DE EMPADRONAMIENTO)
※直近の過去2年間に居住した市町村が発行するもの - パスポート
- 国民身分証明書(DNI)のコピー
- 離婚判決証明書(sentencia de divorcio)または離婚の事実が記載される結婚証明書(謄本)
※離婚歴がある場合
※スペインの裁判所が発行するあるいはスペインの市民登録局(Registro Civil)が発行するもの - 死亡証明書
※元配偶者と死別している場合のみ
※市民登録当局が発行するもの
日本人の必要書類
- 戸籍謄本(スペイン語訳付き)
- 住民票(直近の過去2年間に居住した市町村が発行したもの)
- 身分証明書(パスポートまたは運転免許証)
- 除籍謄本(離婚歴がある場合のみ)
- 死亡証明書(死別がある場合のみ)
Step.5 15日間の公示期間と面接がある
日本にあるスペイン大使館に書類を提出した後には、スペイン人が婚姻要件に問題がないか確認が入り、この確認の中でスペイン大使館の掲示板で15日間掲示されることになります。(結婚の公示(notice))
公示期間が終わると、連絡があり面接の日程を決めますが、面接の日程は混みあっていると1ヶ月先などという場合もあります。
面接では、スペイン人口25,000 人以上の市町村に居住していた場合には証人1人が必要になります。(証人の必要の有無は面接の日程の際に伝えられます。)
面接が終わると「日本語が併記された婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)が発行」されます。
面接の際の必要書類
- 申請書(大使館に備え付けてあります)
- パスポート
- 国民身分証明書(DNI)
- 日本人の身分証明書(運転免許証など)
- 証明写真(正面)1枚 (4×4cm)
Step.6 日本の役所で結婚手続きをする
スペイン人の婚姻要件具備証明書が取得できたら、日本の役所で結婚手続きを行います。
婚姻届はどこの役所でも提出できますが、日本人の本籍地以外で行う場合は、日本人の戸籍謄本が必要になります。
日本人の必要書類
- 婚姻届(証人2人の署名が必要)
- 本人確認書類(パスポートや運転免許証)
- 戸籍謄本(本籍地以外で婚姻届を提出する場合のみ)
スペイン人の必要書類
- 婚姻要件具備証明書(日本語が併記されたもの)
- パスポート
- 在留カード(ある場合のみ)
婚姻届が正式に受理されると、平均で1週間ほどで日本人の戸籍謄本にスペイン人の情報が反映された戸籍謄本を取得することができます。
これで日本での結婚手続きが完了となり、続いてスペイン側の結婚手続きを行っていくので、婚姻届が受理されたら、「婚姻届の受理証明書を取得」するようにしてください。
Step.7 日本にあるスペイン大使館で結婚手続きをする
スペイン側の結婚手続きは、日本にあるスペイン大使館で行います。
スペイン大使館での必要書類
- 結婚済み届出用紙(HOJA DE DECLARACION DE MATRIMONIO)
※大使館に備え付けてあります。 - 婚姻届の受理証明書※スペイン語訳付き
- 戸籍謄本(婚姻情報が反映されたもの)※スペイン語訳付き
スペイン大使館での結婚手続きが完了すると、スペイン側の結婚手続きも終わり、すべての結婚手続きが完了となります。
なお、日本での配偶者ビザ申請時には「スペイン国発行の婚姻証明書の提出が必要」になります。
スペイン方式での結婚手続き(スペインから先に結婚手続きする場合)
スペインから先に結婚手続きをする場合は、スペインでの申請する場所(教会、市役所、裁判所、戸籍登録所)によって手続き方法が異なります。
今回は、「戸籍登録所での婚姻手続きの流れ」をご説明していきます。
またスペインで先に結婚手続きをする場合は、日本人とスペイン人のどちらか、または両方がスペインに住んでいないと手続きすることはできません。
Step.1 日本人の戸籍謄本と住民票を取得する
まず初めに、戸籍謄本と住民票の有効期限は、ともに発行から3か月以内のものになりますので、取得後は早めに手続きを進めるようにしてください。
戸籍謄本は、日本人の本籍地で2部取得し、取得した戸籍謄本(1部のみで可)には、スペイン語訳をつける必要があります。
※本籍地と住所は違うのでご注意ください。
どなたが訳しても大丈夫ですが、手書きの翻訳は認められていませんので、パソコンで作成するようにしてください。
また離婚歴や死別の履歴がある場合、戸籍謄本に載っていない場合は、除籍謄本も準備する必要があります。
住民票は、市役所(区役所)で取得しますが、こちらもスペイン語訳が必要になります。
Step.2 日本の外務省でアポスティーユ(認証)する
日本人の戸籍謄本と住民票を取得したら、日本の外務省でアポスティーユ(認証)を行います。
アポスティーユとは、外務省印を押してもらうことで、海外に提出する日本発行の書類が本物であることを証明するために行う手続きになります。
アポスティーユは、直接外務省に行くか、郵送でも手続き可能ですが、直接行ってもアポスティーユ済の書類がもらえるのは翌日以降になります。
Step.3 日本にあるスペイン大使館で認証を受ける
日本の外務省で戸籍謄本と住民票のアポスティーユ(認証)をしてもらった後は、日本にあるスペイン大使館でスペイン語訳の翻訳証明をしてもらいます。
この翻訳証明には、通常2~3週間ほどかかりますので、時間に余裕をもって進めるようにしてください。
Step.4 スペインにある日本大使館で日本人の書類を取得する
日本国内で必要書類を集めたら、続いてスペイン国内の手続きに移ります。
まずは、スペインにある日本大使館で「日本人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)」と「婚姻告知不要証明」を取得します。
婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
婚姻告知不要証明とは、地域によっては結婚することを事前に第三者に対し告知する必要があるのですが、日本では告知が不要ですので、その旨を証明する書類になります。
婚姻要件具備証明書などを取得するための必要書類
- 申請書(大使館に備え付けてあります)
- 戸籍謄本(アポスティーユ済のもの)
- パスポート
Step.5 スペインの戸籍登録所(Registro Civil)で結婚手続きをする
日本人の婚姻要件具備証明書と婚姻告知不要証明が取得できたら、スペインでの結婚手続きを行っていきます。
スペインでの結婚手続きは、2人そろって結婚手続きをする必要があり、加えて、証人1名の同席も必要となります。
スペインでの結婚手続きでの必要書類
スペイン人の必要書類
- 申請書(備え付けてあります)
- 出生証明書
- 独身証明書
- 過去2年間の住民票
- 国民身分証明書(DNI)
- 証人のDNIとそのコピー
日本人の必要書類
- 戸籍謄本(翻訳、アポスティーユ認証付き)
- 住民票(翻訳、アポスティーユ認証付き)
- 婚姻要件具備証明書(翻訳、アポスティーユ認証付き)
- 婚姻告知不要証明
- パスポート
- 除籍謄本(離婚歴や死別歴がある場合のみ)
結婚手続き(結婚許可書の申請)をすると、21日間の公示期間があり、21日間の間に異議申し立てをする人がいなかった場合に、面接に進みます。
面接の当日には2人で民事登録局に行き、別室でインタビューが行われ、出会いの経緯やどの時点でどちらから結婚を申し出たのかなど、質問されます。
面接が終わると、次に結婚式の日程を決めます。
Step.6 結婚式を行う
結婚式には、日本人とスペイン人の2人と合わせて証人も立ち会います。
結婚式は15分から30分程度で終わり、結婚式が終わると結婚証明書(Certificado Literal de Matrimonio)をもらうことができます。
この手続きが終わるとスペインでの結婚手続きが完了となり、続いて日本側の結婚手続きの進めていくことになります。
Step.7 結婚証明書をスペインの外務省でアポスティーユ(認証)する
日本側の結婚手続きを行うには、まず「結婚証明書をスペインの外務省でアポスティーユ(認証)してもらう」必要があります。
なお、アポスティーユはスペインにある日本大使館で結婚手続きを行う場合は不要ですが、日本の役所で結婚手続きをする場合は、アポスティーユが必要になります。
Step.8 日本側の結婚手続きを行う
日本側での結婚手続きは、スペインにある日本大使館でも手続きはできますが、戸籍謄本に婚姻情報が反映されるまでに1ヶ月~2ヶ月ほどかかりますので、急いでいる場合は「日本にある役所で手続きする方がスムーズ」です。
日本の役所で結婚手続きする場合は、日本人1人でも大丈夫ですし、使者として親族や友人に代理で行っていただくことも可能です。
今回は、日本の役所で結婚手続きする場合の書類についてご案内させていただきます。
日本での結婚手続きする際の必要書類
日本人の必要書類
- 婚姻届(証人2人の署名は不要)
- 戸籍謄本(本籍地以外で手続きする場合のみ)
- 身分証明書(運転免許証など)
スペイン人の必要書類
- 結婚証明書と日本語訳(アポスティーユ済のもの)
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - パスポートと写真のページの日本語訳
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - 在留カード(ある場合のみ)
婚姻届が正式に受理された場合、平均1週間で日本人の戸籍謄本にスペイン人の情報が反映された戸籍謄本を取得することができるようになります。
これですべての結婚手続きが完了となり、日本での配偶者ビザ申請時には、「スペイン国発行の結婚証明書の提出が必要」になります。