モロッコ人との結婚手続き方法
モロッコ人との結婚手続きでは、日本とモロッコの両方の国で結婚手続きをする必要があります。
なお、日本の配偶者ビザの申請を考えると、一般的には日本から先に結婚手続きをした方がスムーズになります。
モロッコから先に結婚手続きをする場合は、モロッコに１か月程度滞在する必要があります。
そして今回の記事では、日本から先に結婚手続きを行う場合（日本方式）と、モロッコから先に結婚手続きを行う場合（モロッコ方式）の結婚手続きをご紹介します。
日本方式での結婚手続き（日本から先に結婚手続きをする場合）
国際結婚後、日本の配偶者ビザを申請して日本に一緒に住む予定であれば、日本方式での結婚手続きをおすすめします。
なお国際結婚の手続きでは、婚姻要件具備証明書（通称：独身証明書）と言われる書類が必要となります。
婚姻要件具備証明書とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
Step.1 モロッコでモロッコ人の必要書類を集める
モロッコ人がモロッコで集める書類は下記になります。
なお、集めた書類はすべてアポスティーユ（モロッコの外務省認証）が必要になります。
※アポスティーユは、モロッコの外務省でスタンプを押してもらう作業のことを指します。
モロッコ人の必要書類
- 独身証明書（Attestation de célibat）
- 出生証明書（Extrait D’acte de Naissance）
- 出生証明謄本（Copie Intégrale de L’acte de Naissance）
※出生証明書の完全なコピーになり、ファミリー証明書と呼ばれることもあります。
この中の独身証明書は、過去に離婚歴がある場合は、未再婚証明書と言う書類になる場合もああります。
なお、書類の有効期限は3ヵ月となっているので、手続きのスケジュールにはご注意ください。
Step.２ 日本にあるモロッコ大使館で、モロッコ人の「婚姻要件具備証明書」を取得する
モロッコで書類が取得できたら、日本にあるモロッコ大使館で、モロッコ人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。
婚姻要件具備証明書は、独身で結婚できる要件が整っている書類を証明する書類で、モロッコで取得した独身証明書と似ていますが、まったく違う書類になります。
モロッコ大使館で婚姻要件具備証明書を取得する際には、事前の電話予約が必要となるようなので、まずはモロッコ大使館に電話で予約をします。
モロッコ人の「婚姻要件具備証明書」を取得する際の必要書類
- 独身証明書（アポスティーユ済のもの）
- 出生証明書（アポスティーユ済のもの）
- 出生証明謄本（アポスティーユ済のもの）
- モロッコ人のIDカード
- モロッコ人のパスポート
- 日本人のパスポート
モロッコ人が日本にいない場合は、短期滞在ビザを取得して来日する必要があります。
Step.３ 日本の役所で婚姻届を提出する
モロッコ人の婚姻要件具備証明書が取得できたら、「日本の役所で婚姻届を提出」します。
婚姻届が受理されたら、「受理証明書」を取得しておきましょう。
婚姻届はどこの役所でも手続きできますが、日本人の本籍地以外で行う場合は、日本人の戸籍謄本が必要になります。
日本人の必要書類
- 婚姻届（証人２人の署名が必要）
- 本人確認書類（パスポートや運転免許証）
- 戸籍謄本（本籍地以外で婚姻届を出す場合のみ必要です）
モロッコ人の必要書類
- 婚姻要件具備証明書（日本語訳も必要）
※どなたが翻訳しても大丈夫です。 - パスポート
- 在留カード（ある場合のみ）
婚姻届を提出する役所によっては、モロッコ人の出生証明書の提出を求められる場合もあるので、事前に婚姻届を提出予定の役所に確認しておくことをお勧めします。
Step.４ モスクで結婚手続きをする
日本の役所で婚姻届が受理されたら、宗教によって手続きが変わるのですが、イスラム形式の結婚式（Nikah：ニカー）では、モスクで結婚式を挙げて、モスクで発行された結婚証明書が必要になります。
モスクは、お好きな礼拝堂を探して結婚式をしてもらえればと思います。
その際に、日本の役所で発行された「受理証明書」が必要になります。
Step.５ モロッコ大使館で報告敵手続きをする
モスクでの結婚手続きも終了したら、日本にあるモロッコ大使館で報告的手続きを行います。
日本の役所で婚姻届が受理されてから約１週間ほどで日本人の戸籍謄本に婚姻情報が反映されますので、婚姻情報が反映された戸籍謄本が必要になります。
なお、戸籍謄本はアラビア語訳が必要になりますが、指定業者があるようなので、事前にモロッコ大使館にお問合せください。
モロッコ大使館で報告的手続きの必要書類
- 日本人の戸籍謄本（婚姻情報が反映されたもの）※アラビア語訳付
- モスクで発行された結婚証明書
- ２人のパスポート
上記は最低限必要な書類になりますので、事前にモロッコ大使館にも確認するようにしてください。
手続きが終わるとモロッコの結婚証明書が発行され、日本の配偶者ビザ申請においても、モロッコの結婚証明書の提出が必要になります。
モロッコ方式での結婚手続き（モロッコから先に結婚手続きをする場合）
モロッコから先に結婚手続きをする場合は、日本人がモロッコに行き、最低でも１か月程度は滞在する必要があります。
Step.1 日本国内で日本人の必要書類を集める
モロッコに行く前に日本国内で集める書類があります。
日本人が用意する書類
- 戸籍謄本（発行から３ヶ月以内のもの）３部
- 警察証明書（最寄りの都道府県警発行のもの）
- 職業・収入証明書（多くの場合は、銀行発行の預金残高証明書で対応可能）
警察証明書（犯罪証明書）の取得に時間がかかる場合がありますので、早めに手続きしてください。
Step.２ モロッコにある日本領事館で必要書類を取得する
日本国内で必要書類が揃ったら、モロッコに行き、モロッコにある日本大使館で下記書類を取得します。
モロッコの日本大使館で取得する書類
- 出生証明書
- 婚姻要件具備証明書
- 国籍証明
- 離婚証明（該当する場合のみ）
- 在留証明書
- 証明写真３枚
上記書類の取得を進めつつ、モロッコ国内で準備する書類の準備も始めます。
Step.３ モロッコで必要書類を集める
モロッコ国内でも取得しないといけない書類があります。
細かな内容は、モロッコ人が居住する地区の第一審裁判所の家庭部（service de la famille）で、必要書類を確認できます。
モロッコ国内で集める書類
- 犯罪経歴証明書 (Certificat de casier judiciaire au Maroc)
- 健康診断書 (Certificat médical)
- イスラム教への改宗証明書 (Certificat de conversion à l’Islam)
犯罪経歴証明書 (Certificat de casier judiciaire au Maroc)
モロッコで発行してもらう「犯罪経歴証明書 」は法務省が発行し、申請には日本領事館発行の出生証明書のコピーが必要になります。
健康診断書 (Certificat médical)
健康診断書は、モロッコ国内の病院で「婚姻のための健康診断」を受けて診断書を作成してもらう必要があります。
イスラム教への改宗証明書 (Certificat de conversion à l’Islam)
日本人男性の場合、イスラム教徒でない男性は、モロッコ人女性と婚姻手続はできません。
イスラム教へ改宗し、証明書を取得する必要があります。
日本人女性の場合は、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教以外の宗教徒はモロッコ人男性と結婚できません。
上記3種の宗教のうち、いずれかに改宗し、証明書を取得する必要があります。
Step.４ モロッコで結婚手続きをする
上記書類が揃ったら、モロッコ人が居住している地区の一審裁判所（家庭部）に上記書類を提出して「婚姻証書」を発行してもらいます。
通常、「婚姻証書」はアラビア語表記のものが出されますので、モロッコ国内にいる間に、信用のある翻訳事務所で英語訳又はフランス語訳しておくことをお勧めいたします。
Step.５ 日本側での結婚手続きを行う
日本側での結婚手続きは、モロッコにある日本大使館でも手続きはできますが時間が1ヶ月～2ヶ月ほどかかりますので、「日本にある役所で手続きする方がスムーズ」です。
日本の役所へは使者と言う形で親族や友人に代理で行っていただくことも可能です。
下記は日本の役所での手続きの場合の書類になります。
日本人の必要書類
- 婚姻届（証人２人の署名は不要）
- 戸籍謄本（本籍地以外で手続きする場合のみ）
- 身分証明書（運転免許証など）
モロッコ人の必要書類
- 婚姻証書と日本語訳
- パスポートと写真のページの日本語訳
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - 在留カード（ある場合のみ）
※正式に婚姻届が受理されてから平均１週間で、日本人の戸籍謄本にモロッコ人の情報が反映された戸籍謄本を取得することができるようになります。
日本での配偶者ビザ申請時には、「モロッコ発行の婚姻証書の提出が必要」になります。
