警備員で就労ビザはとれるのか?
この記事は、外国人を警備員として雇用しようと考えている企業向けの記事になります。
警備員になるためには、「欠格事由」「ビザ(在留資格)」の2つの視点で考えなければいけませんが、この記事では、主にビザ(在留資格)視点でのご説明をさせていただきます。
警備員で就労ビザの取得は難しい
日本の就労ビザは、「原則、現場労働を禁止」しています。
就労ビザは16種類あり、行う仕事内容によって取得する就労ビザは変わりますが、一般的な就労ビザである、「技術・人文知識・国際業務」では警備員として現場で働いてもらうことはできません。
現場労働が可能な就労ビザとして特定技能や技能実習がありますが、2022年10月時点では、特定技能ビザでも警備員は対象外となってしまっています。
そのため、外国人が日本に警備員になるために来日することはできません。
警備員として働ける外国人は?
警備員では就労ビザは取得できないとお伝えしましたが、就労制限がないビザを持っている外国人であれば、就労ビザは不要なので、警備員として働くことは可能です。
具体的な就労制限がないビザは、下記になります。
警備員として働ける外国人(就労制限がない
- 永住者
- 永住者の配偶者
- 日本人の配偶者
- 定住者
これらのビザを持っている外国人は、日本人と同じように好きなお仕事をすることが可能なので、警備員としても働くことができます。
空港の警備でも就労ビザは取得できないのか?
たまにご質問があるのが、「外国人向けに警備をしてもらいたい」というものです。
例えば、「空港などの外国人が多い場所」や「京都などの観光地」の警備で、外国人に対して言語対応が必要となる場面でも、就労ビザはとれないのですか?というご質問があります。
結論から言うと、外国人が多い空港や観光地の警備員でも、現時点では就労ビザの取得は難しいと考えます。
確かに警備員として、外国人に対して注意したりする場面もあるので、「通訳の仕事」に該当するのではないか?と思われるかもしれませんが、入管が想定している「通訳業務」とは異なります。
警備員の場合は、積極的にコミュニケーションを取るよりも、トラブルなどが生じた時にコミュニケーションを取るほうが一般的に多いと思います。
そのため、その業務が「通訳」に該当すると認めてもらうのはかなりハードルが高いです。
もちろん、警備の仕事でも内容に応じてコミュニケーションを積極的に取らないといけないものもあるかもしれませんが、その場合は状況に応じて警備員としてではなく、通訳者として就労ビザの取得可能性が出てくる場合があります。
警備員には、欠格事由がある
警備員の仕事は、欠格事由がありますが、これは日本人だけでなく外国人を雇用する場合にも関わってきます。
警備員の要件
- 18歳以上であること(未成年でない事)
- 責任能力の欠如(自己破産や破産申告を受けていないか)
※復権していれば問題ありません。 - 犯罪歴がない事
※実刑の経歴がある場合は、出所して5年以上経過すれば復権します。 - 反社会勢力と繋がりがない事
- アルコールや薬物の中毒者でない事
外国人の場合は、警備員で「就労ビザ」を取得するのは難しいですが、就労制限のない外国人からの募集があった場合には、必ず「在留カードの原本」を見て、今のビザの種類を確認するようにしてください。
在留カードでは、「ビザの種類」「在留期限」を見て、警備員として働けるビザなのかを確認し、外国人からの口頭のみでビザの種類を判断は避けるようにしましょう。
また外国人は、在留カードは常に携帯する義務があるため、原本を提示できないのは、何かしらトラブルになる可能性がありますので注意してください。
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