転職したら就労ビザはどうなる?外国人がやるべき手続きを解説
就労ビザを持っている外国人が転職する場合、どのような手続きが必要なのでしょうか?
一般的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザでは、会社を辞めたり、転職して新しい会社に就職した場合は、外国人本人が14日以内に入管に届出を行わないといけません。
届出の提出期限は、退職や転職してから14日以内に提出しないといけませんが、届出を出すのを忘れてしまった場合でも、気づいた際になるべく早めに提出するようにしましょう。
※日本の就労ビザは、外国人が行う仕事内容によって取得する就労ビザが変わりますが、今回は一般的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザについてご説明していきます。
目次
外国人が転職後にやるべきことは?
技術・人文知識・国際業務の就労ビザの外国人の方が転職した場合には「届出」を入管に提出する必要があります。
届出は「会社を辞めた」「新しい会社に転職した」などの変更事項が生じた際に、外国人の方が自ら入管に変更した内容を伝える行為を言い、就労ビザの外国人の方の義務になります。
届出を行わないと、長い年数のビザがもらえない原因になったり、将来的に永住申請をしたいと考えている外国人の方の場合には、永住申請の審査で不利になったりするので、忘れずに行うようにしてください。
届出方法について
届出方法については3種類あります。
利用者登録をする必要がありますが、オンラインであれば入管に直接行く必要がないので、オンラインで行う人が増えています。
オンラインの場合は、こちらからアクセスして必要情報を入力してください。
※初めて利用する場合は、利用者登録から行うようにしてください。
ちなみに届出は、変更した内容をお知らせする行為なので、審査などはありませんので、提出して終了です。
届出の方法
- オンラインで届出をする
- 郵送で届出をする
- 入管の窓口で直接届出をする
郵送で届出を行う場合には、該当する書類を印刷して、「東京入管の四谷分庁舎」に郵送します。
※品川にある東京入管ではないのでご注意ください。
※地方に住んでいる方も郵送する場所は一緒です。
(郵送先) 〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目6番1号四谷タワー14階
東京出入国在留管理局在留管理情報部門届出受付担当宛
郵送物は、届出書と在留カード(両面)のコピーを一緒に入れてください。
そして、封筒には届出書が入っていることがわかるように、封筒の表面に赤ペンで「届出書在中」と記載して送るようにしてください。
入管の窓口で直接届出を出したい場合は、住民登録している地区を管轄する最寄りの入管に直接届出書を持って行ってください。
届出書のフォーマットについて
郵送または入管の窓口で直接、届出書を提出する場合には、下記フォーマットを使用してください。
届出が必要な場合
なお、届出は退職した後、新しい会社に転職した後に行うもので、退職日から14日以内、新しい会社に就職してから14日以内に行います。
もし退職日と新しい会社への就職日が14日以内の場合には、上記①の退職と転職の届出を一度にまとめて出すことができます。
万が一、退職日や就職日から14日を過ぎてしまった場合でも、1日でも早く届出を出すようにしてください。
届出しないと罰則がある?
たまに退職したことを入管に知られたくないからと、届出をしたくないという外国人の方がいますが、退職や転職した際の届出は義務です。
届出をしない場合には、将来的にビザを更新する際には届出をしなかったことがばれてしまい、長い年数がもらえなかったり、最悪の場合、在留不良としてビザ更新ができなくなってしまう場合もあります。
そして届出は、変更があった日から14日以内に提出する必要がありますが、14日を過ぎてしまっても必ず提出する必要があります。
届出を行わなかった場合には、罰則も規定されています。
届出を行わなかった場合
- 20万円以下の罰金の可能性
- 就労ビザ更新時に影響が出る(最悪の場合は不許可になります)
届出を1回しなかったからと言って、すぐに上記の罰則になるわけではないですが、わざと届出を出さずに、働いてはいけない仕事をしていた場合などには、悪質と判断されて罰則になる可能性があります。
転職後の仕事内容に注意
ここまで転職した場合には、届出が必要とお伝えしてきました。
ただし、届出を出せば転職後にどんな仕事でもできるわけではありませんので注意してください。
技術・人文知識・国際業務の就労ビザであれば、この技術・人文知識・国際業務で認められている範囲の仕事しかできませんので、現場労働や単純労働の仕事で働くことはできません。
ビザの変更が必要なケースは?
前提として届出は、今の就労ビザと同じ就労ビザの仕事内容の会社に転職するときに行うものです。
技術・人文知識・国際業務の就労ビザであれば、同じ技術・人文知識・国際業務の就労ビザで働くことができる会社に転職した場合のみ該当します。
ですので、例えば教授ビザで大学で働いていた人が、語学学校の先生に転職する場合は、語学学校の就労ビザは、技術・人文知識・国際業務になるので、届出ではなく、ビザの変更申請が必要になるので注意してください。
※ちなみに高度専門職ビザの場合には、仕事内容が同じであっても、転職前にビザ変更申請をして、許可後でないと転職先の企業では働き始めることはできません。
就労資格証明書とは?
今の仕事内容が許可の範囲内かどうかわからない場合は、「就労資格証明書」を申請する方法があります。
就労資格証明書とは、入管から転職後の仕事内容について問題ない旨のお墨付きをもらう申請のことを言い、ビザの更新申請に安心して申請できる状況を作っておくことができます。
この就労資格証明書の申請は任意になりますが、万が一、転職後に行う仕事が就労ビザの許可範囲外だった場合は、転職後からビザ更新までの間は不法就労状態だったということになり問題となる場合もありますので、就労ビザの期限まで6ヶ月以上残っている場合は、就労資格証明書の申請をすることをお勧めします。
※ビザの更新申請は、在留期限の3ヶ月前からでないと申請ができません。
その他の転職活動中の注意点について
上記でも記載しましたが、今持っている就労ビザの在留期限が残っている場合は、転職後もそのビザは有効になります。
しかし、退職してから3ヶ月間以上、転職活動もせず転職先が決まっていない場合は、在留不良として今のビザが取り消される可能性も出てきてしまいます。
その他の注意点
- 就職活動中のアルバイトは不可
- 退職から3ヶ月以上経つと、今のビザの取消対象期間に入る
転職活動中にアルバイトはできない
就労ビザはフルタイムで働くためのビザなので、転職活動中の転職先が決まるまでの間、コンビニなどでアルバイトなどをすることはできません。
生活のために働きたいというのはわかるのですが、就労ビザはアルバイトをするためのビザではなくので、アルバイトをしていることが発覚すると、次の就労ビザ更新の際に、更新ができなくなってしまう可能性があります。
退職から3ヶ月以上経つと、今のビザの取消対象期間に入る
就労ビザの場合、退職して就職活動もせずに3ヶ月以上たつと、取り消し対象期間に入り、最悪入管の職権で就労ビザが取り消されてしまいます。
就労ビザの目的は、日本で働くことなので、転職活動をしていて就職先がなかなか決まらないのであれば絶対大丈夫というわけではないのすが、目安として3ヶ月以内に新しい就職先を決めることが求められています。
退職後、3ヶ月を過ぎるとすぐに就労ビザが取り消されるわけではありませんが、6ヶ月や1年など明らかに長い年数、働いていないとなると、就労ビザの活動ではない活動で日本に滞在してしまっているということになるので、ビザ更新時に審査が厳しくなってしまいます。
この働いていない期間が長くなればなるほど、次回のビザ更新時の不許可率が上がってしまいます。