経営管理ビザの更新申請の注意点と必要書類について
経営管理ビザの更新申請は、新規取得時よりは緩く審査されますが、他のビザ(就労ビザなど)と比較すると難しいです。
経営管理ビザを更新の条件は、ガイドラインにも記載されていますが、この記事では、注意点と必要書類について、わかりやすく解説していきます。
目次
経営管理ビザの更新の条件について
経営管理ビザの更新の際には、会社の業績の確認(事業計画通りにいっているか?)や事務所の確認などが行われます。
経営管理ビザの更新の条件
- 売上があるか?
- 事務所があるか?
- 税金は支払っているか?
- 役員報酬はもらっているか?
売上があるか?
経営管理ビザの更新では、売上の審査があります。
簡単に言うと、会社の実態があるのかを確認するもので、経営の仕事をしているかを確認します。
売上の審査は、決算が来ている場合は「決算書を提出」することになります。
更新のタイミングでまだ決算書がない場合には、場合によって「試算表」の提出などを行います。
試算表とは、決算がまだの場合に、それまでの売上や利益を計算した資料のことを言います。
試算表はマストではないですが、申請書に直近の売上金額の記載箇所があるため、売上額は少ないが、直近で売上が上がってきた場合などは、各月の売上額がわかる試算表などを税理士に作成してもらい提出することで、アピールすることができます。
事務所があるか?
経営管理ビザでは、独立した事務所があることが求められています。
ビザ取得時から事務所が変わっている場合、その事務所が自宅と一緒になっていないか?(一軒家で明確に分かれている場合はOK)などが審査されることになります。
事務所の審査は、新規でビザ取得する際よりは緩く審査されますが、大切なポイントになります。
税金は支払っているか?
納税義務を履行しているかも審査ポイントです。
税金は、個人の税金(住民税など)はもちろんですが、会社の税金も払う必要があります。
会社の税金は法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税・消費税などがありますが、現在は更新申請で納税証明書の提出までは求められていません。
しかし、重加算税などを課されてしまっている場合には、更新不許可になる可能性が高いので、税金はしっかり納付するようにしてください。
役員報酬はもらっているか?
役員報酬ももらっているかも審査ポイントです。
日本人の場合には、会社の業績が安定するまで役員報酬を0円に設定することもできますが、経営管理ビザの外国人の場合には、生活ができるレベルの役員報酬を受け取ることが必要になります。
決算書で役員報酬の支払いが確認できない場合には、どのように生活しているのかの説明などをする必要があります。
経営管理ビザ更新の注意点とは?
経営管理ビザを取得してから、本格的にビジネスを開始していると思いますが、日本でビジネスをを行う上でルールがあります。
そのルールを守れているか注意が必要です。
経営管理ビザ更新の注意点
- 会社の住所と自宅の住所
- 法人口座
- 社会保険への加入
- 許認可の取得
- 従業員の確保
会社の住所と自宅の住所
上記の条件の部分でも説明しましたが、会社の住所と自宅の住所は、一軒家で明確に分けられている以外は、別になっている必要があります。
そのため、在留カードに記載されている住所と登記簿謄本の会社の住所が一緒になっていると、事務所の独立性がないと判断されてしまいます。
法人口座
近年は、法人の銀行口座開設の審査が厳しくなっています。
また基本的には日本語対応になるので、会社の口座がなかなか作れない方もいます。
ただし、会社のお金と個人のお金は違うので、会社の売上を個人口座に入金してもらうはNGです。
そのため、ビジネスを開始する前に必ず法人口座の開設が必要になります。
手続きが難しい場合には、日本語ができる友達などに手伝ってもらい、法人口座の開設をしてください。
社会保険への加入
法人の場合、1人会社であっても会社として社会保険(健康保険と厚生年金)の加入は必須になります。
現在は、社会保険の未加入だけを理由に不許可とはなりませんが、社会保険未加入で不許可になっても文句は言えません。
個人で国民健康保険と国民年金に加入するのではなく、会社で社会保険(健康保険と厚生年金)に加入する必要があります。
許認可の取得
行っているビジネス内容によっては、許認可が必要になります。
多いのが、中古品の販売を可能にする「古物商」です。
中古品の販売をするには、古物商の許可がないとできないので、許可を取らずにビジネスをしてしまうと、違法な会社になってしまいますので、許認可が必要なビジネスかを調べて、必要であれば、ビジネス開始前に取得をしてください。
従業員の確保
経営管理ビザは、「経営と管理」をするビザになります。
そのため、経営管理ビザの外国人本人が、メインで現場で仕事をすることはできません。
例えば、貿易業でも、在庫管理や発送業務などもあるかと思うので、それらをずっと1人で行っていくことはできません。
臨時的な補充的な役割で行うのであれば大丈夫ですが、日常的に行うのであれば、アルバイトでも人を雇う必要があります。
経営管理ビザ更新の必要書類について
経営管理ビザの更新申請の必要書類は、人によって異なってきますが、ここでは一般的な内容についてご説明していきます。
経営管理ビザ更新の必要書類について
- 在留期間更新許可申請書
- 証明写真(撮影から3ヶ月以内のもの)
- 直近年度の源泉徴収の法定調書合計表(税務署受付印があるもの)
- 直近年度の決算書(損益計算書・貸借対照表)
- 外国人個人の住民税の課税証明書(直近年度の役所発行のもの)
- 外国人個人の住民税の納税証明書(直近年度の役所発行のもの)
- 会社名義の銀行通帳のコピー
- 更新理由書 ※売上が少ない時には、今後の展望なども記載
- 登記簿謄本(前回から変更がある場合のみ)
- 許認可のコピー(新しく許認可を取得した場合)
経営管理ビザでは、「安定した経営ができているか」が長い年数を取得するのに大切なポイントになります。
そのため、前回申請時とメインビジネス内容が少し変わっている場合には、その内容を説明しつつ、今後の売上予測なども提出すると印象はいいです。
売上予測を提出する際は、業務委託契約書など証拠書類のコピーも一緒に提出するようにしましょう。