配偶者ビザ申請の際の納税証明書が取れない場合の対処法
配偶者ビザの申請を行う上で、日本で“税金をきちんと支払っている”ことを証明する住民税の「課税証明書」「納税証明書」の提出は必須となっています。
なぜかというと、課税証明書と納税証明書は配偶者ビザの要件の一つである「日本で生活していく資金力があること」という証拠になるからです。
ただし「海外にずっと住んでいた」「収入が少なくて非課税になっている」「最近就職したばかり」などの理由で、課税証明書と納税証明書を準備できない方もいらっしゃると思います。
今回は配偶者ビザ申請時に課税証明書と納税証明書が準備できない場合の対応策を見ていきましょう。
目次
海外在住なので日本で納税していない場合
納税証明書を提出できない理由や経緯を文書で説明することで対処が可能です。
理由を説明する書類はフリーフォーマットになり、名称も理由書でも状況説明書でも問題ありません。
納税義務を履行していないのではなく、海外在住のため納税義務がない旨を説明してください。
理由書には、海外で働いていて収入があった場合には、収入を証明する書類も一緒に提出する方が審査には有利になります。
例えば海外での勤務先の給与明細や在職証明書などですね。
収入が少なく非課税になっている場合
収入が少ない場合も様々なケースがあります。
ケース別で対応策をみていきましょう。
アルバイトで生計を立てている場合
アルバイトで生計を立てている場合でも問題はありません。
しかしシフトが少ないなどで、給与所得だけで年間103万円以下の収入の場合は非課税となります。
非課税ということは、収入が少ないので住民税の支払いがないということを意味しており、地震だけでは生活していくだけの収入を稼げていないということを意味しています。
アルバイトで非課税になっている場合、配偶者ビザ取得後もアルバイトを継続するのか、新しい仕事を探すのかによって集める書類が変わってきます。
アルバイトの場合は考え方
- シフトを増やす
- 新しく月給の仕事を探す
シフトを増やす方法
シフトを増やす方法もあるのですが、確実にシフトを増やすことができるかは会社の都合などもあることから絶対ではありません。
そのため理由書などでシフトを増やしますと説明しても、収入の安定性が確保できないと判断されてしまうことが高いです。
たとえば、アルバイト先から3か月~6か月先までのシフト表などをもらったり、これから週5日・1日8時間労働になる旨の契約書などをもらえるのであれば、シフトを増やすという選択肢はありかと思います。
シフト表や契約書がない場合は、シフトを増やしますと理由書で説明しても、他の安定した収入が確保できる要素もないと審査は厳しくなってしまいます。
※以前より週5でシフトに入っており非課税ではない場合では、アルバイトでも問題はありません。
新しく月額の仕事を探す
おすすめは新しく月給の仕事を探すことです。
月額制の仕事であれば雇用形態は問いません。契約社員でも派遣社員でも問題はありません。
申請時点でまだ新しい仕事がスタートしていなくても、契約書があれば安定した収入がこれから確保できていることになるので、加点ポイントがもらえます。
個人事業主の場合
個人事業主の方で注意いただきたいのが、確定申告です。
実際には収入が十分に確保されていたとしても、経費を多く申告し、実際の年間所得が103万円以下で非課税になっていると、書面上は収入がないと見られてしまいます。
103万円まで低くなくても200万円前後とかでも、今後の生活をどのように送っていくのかの説明はとても大切になります。
安全な収入ラインは、家族構成にもよりますが、年収300万円以上になります。
特別に費用がかかった場合は説明が必要
個人事業主として開業したばかりで開業費用や、設備投資などで大きく経費を使う必要があり収入が低い場合には、その旨をしっかり理由書で説明するようにしてください。
理由書での説明の中では、「今年度からはその経費はかからないので収入額があがります」いった説明があると良いです。
確定申告していない場合
個人事業主で確定申告をしていない場合には、そもそも収入が0円となるので非課税となります。
「稀に赤字なので申告する必要がない」と言われる方がいますが、申告は必要になります。
まずは、確定申告をすぐに行っていただき、赤字の場合には事業計画書を作成して、今後の収支計画も明確に示されることをお勧めいたします。
学生の場合
今まで学生で「これから就職する場合」や「就職したばかり」というケースも納税証明書では非課税となることが多いです。
今まで学生だった場合でも就職先が決まっている場合は、「内定書」や「雇用契約書」などの書類を提出するようにしましょう。
この場合も今までは学生であったため収入が少ないが、これからは就職先も決まっており、安定した収入が確保できる旨の理由書を作成してください。
体調不良で仕事ができなかった場合
体調の問題で仕事ができなかった場合もあるかと思います。
この場合は、「体調は回復して働ける状態なのか」「まだ通院が必要な状態なのか」によって申請で必要な書類が異なります。
どちらの場合でも必要なのは「診断書」です。
体調不良であることを書面で説明することも大切ですが、第三者(医者)から証明書をもらって証明することで証明力が増します。
就職活動をしている場合
これに加えて、現在就職活動しているのであれば面接結果のメール画面などのスクリーンショットなどを提出するのが効果的です。
継続して治療が必要な場合
治療を継続して行っていくことが必要な場合は、今後どのように生計を立てていこうと考えているのかを説明するようにしてください。
一般的には親族からのサポートを受けることが多いと思いますので、家族の納税証明書を準備するのも効果的です。
ここでの注意点は、「外国人配偶者の配偶者ビザがとれたら、外国人配偶者が働いて生計を立てる」という説明は、不確定事項になりますので審査において加点ポイントにはなりません。
外国人配偶者の就職先がすでに決まっており、内定証や雇用契約書の提出ができるのであれば、加点ポイントになりますので審査には有効です。
納税証明書の発行時期と場所について
住民税の課税証明書と納税証明書は、毎年5月中旬~6か月上旬にかけて発行になる証明書になります。
3月や4月に請求すると去年の書類が発行されますが、そのまま配偶者ビザ申請に使用してOKです。年度が切り替わるまで待つ必要はありません。
年度と証明できる収入額は1年ずれる
- 令和2年度の課税証明書=令和1年1月~12月の所得を証明
- 令和1年度の課税証明書=平成30年1月~12月の所得を証明
納税証明書は直近年度のものが必要になる
必要な住民税の課税証明書と納税証明書は、直近年度のものが必要になります。
ただし6月や7月に住民税の納税証明書を取得すると、まだ納期が1回もきていないため全額未納状態となります。こういった場合は、全額未納の納税証明書を提出しても意味がないので、1年前の納付が終わっている納税証明書を提出することになります。
証明書の必要な年度
- 課税証明書:「直近」のもの(前年の所得の証明)
- 納税証明書:「直近」の納税分
※取得時期によっては前年度のものも提出する必要がある。
※注意点として、住民税の場合は前年の所得に応じて課税されるため、令和3年度の課税証明書は令和2年度の1月1日から12月31日までの所得を証明したものになります。
取得場所について
課税証明書は市役所・区役所で取得できますが、直近で転居している方は要注意です。
「取得したい年度の1月1日時点で住民票を置いている市役所・区役所」で取得ができます。
たとえば、令和3年の課税証明書と納税証明書を取得したい場合は、令和3年1月1日に住民票があった役所で取得できます。
そのため、引っ越しをしている場合は、以前の役所で取得しないといけない場合もあるので、取得したい年度の住民税の課税証明書と納税証明書がその役所で取得できるかを、事前に電話で確認される方が良いかと思います。