シンガポール人との結婚手続き方法
シンガポール人との結婚手続きでは、日本から先に結婚手続きを行うと、日本での結婚がシンガポール側でも有効とみなされるため、シンガポールの結婚手続きは基本不要となります。
そのため、シンガポール人が日本にいる場合は、日本から先に結婚手続きをするのが一般的となります、。
なお、シンガポールから先に結婚手続きをする場合は、日本での結婚手続きも必要になります。
そしてシンガポールから先に結婚手続きする場合は、シンガポール人が「イスラム教徒」と「非イスラム教徒」なのかで手続き方法が異なりますので、注意が必要です。
そこで今回は、日本から先に結婚手続きを行う場合(日本方式)と、シンガポールから先に結婚手続きを行う場合(シンガポール方式)の結婚手続きについてそれぞれご説明していきます。
目次
日本方式での結婚手続き方法(日本から先に結婚手続きをする場合)
国際結婚では通常、婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)という書類が必要になりますが、シンガポールの場合はこの書類を発行していないため、「宣誓供述書」を代替の書類として結婚手続きを進めていくことになります。
婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
それでは、下記にてシンガポール人との結婚手続きについて、日本から先に行う場合の流れを見ていきましょう。
Step.1 シンガポールの結婚登録所が発行した「結婚歴検索結果」を取得する
まず初めに、シンガポールにあるシンガポール結婚登録所 (ROM) またはシンガポールイスラム教結婚登録所 (ROMM)が発行した、「シンガポール人の結婚歴検索結果」を取得します。
※結婚歴検索結果は、ROMのレターヘッド付きの用紙で3ヶ月以内に発行されたものが有効となります。
離婚歴がある場合は、「判決確定(離婚)」(Certificate of Making Interim Judgment Final (Divorce))もしくは「仮判決(離婚)」(Certificate of Making Decree Nisi Absolute (Divorce))も必要になります。
Step.2 日本にあるシンガポール大使館で、シンガポール人の書類を取得する
続いて、シンガポールで結婚歴検索結果が取得できたら、日本にあるシンガポール大使館で「シンガポール人の宣誓供述書と出生証明書を取得」します。
※出生証明書がシンガポール大使館で取得できない場合は、シンガポールで取得することになります。
なお、宣誓供述書を取得する際の必要書類は下記になります。
宣誓供述書を取得するための必要書類
- 結婚歴検索結果(Marriage Search Result)
※シンガポールの結婚登録所またはイスラム教婚姻登録所で取得する必要があります。 - 日本人のパスポート
- シンガポール人のパスポート
Step.3 日本の役所で婚姻届を提出する
シンガポール大使館で必要書類を取得できたら、続いて「日本の役所で婚姻届を提出」します。
婚姻届はどこの役所でも提出できますが、日本人の本籍地以外で婚姻届を提出する場合は、日本人の戸籍謄本が必要になります。
日本人の必要書類
- 婚姻届(証人2人の署名が必要)
- 本人確認書類(パスポートや運転免許証)
- 戸籍謄本(本籍地以外で婚姻届を出す場合のみ必要)
シンガポール人の必要書類
- 宣誓供述書(日本語訳も必要)
※どなたが翻訳しても大丈夫です。 - 出生証明書(日本語訳も必要)
※どなたが翻訳しても大丈夫です。 - パスポート
- 在留カード(ある場合のみ)
婚姻届が正式に受理されると、平均で1週間ほどで日本人の戸籍謄本にシンガポール人配偶者の情報が反映された戸籍謄本を取得することができます。
シンガポール人との結婚手続きを日本から先に行った場合は、シンガポールでも日本での婚姻が有効と認められるため、原則シンガポール側での手続きは不要となります。
そのため日本の配偶者ビザ申請においても、シンガポールの結婚証明書の提出は任意になります。
「非イスラム教徒」のシンガポール人がシンガポール方式で結婚手続きする方法(シンガポールから先に結婚手続きをする場合)
シンガポールから先に結婚手続きをする場合は、シンガポール人が「非イスラム教徒」か「イスラム教徒」かで手続きが変わります。
まず先に「非イスラム教徒」の場合の結婚手続きについてご説明していきます。
Step.1 日本人の戸籍謄本を取得する
戸籍謄本を日本人の本籍地で2通取得します。
※こちらも郵送で請求することができます。
※本籍地は住所とは異なりますのでご注意ください。
なお戸籍謄本の有効期限は、発行から3ヶ月以内のものになりますので、取得後は早めに手続きを進めるようにしてください。
Step.2 戸籍謄本を日本の外務省でアポスティーユ(認証)する
取得した戸籍謄本の1通を、日本の外務省でアポスティーユ(認証)します。
アポスティーユとは、外務省印を押してもらうことで、海外に提出する書類について日本で発行した書類が本物であることを証明するために行う手続きになります。
アポスティーユは郵送または直接外務省に行き行うことができますが、直接行く場合でも最短で翌日の受け取りとなります。
Step.3 シンガポールにある日本大使館で、日本人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)を取得する
戸籍謄本にアポスティーユができたら、シンガポールにある日本大使館で日本人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)を取得します。
婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
婚姻要件具備証明書を取得するための必要書類
- 申請書(大使館に備え付けてあります)
- 戸籍謄本
- パスポート
Step.4 シンガポールの結婚登録所(ROM)で結婚通知書(notice of marriage)を提出する
日本人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)が取得できたら、シンガポールの婚姻登録所(ROM)にて結婚通知書(notice of marriage)を提出します。
この提出が終わると、「婚姻許可書(marriage licence)」を発行してもらえ、婚姻許可書があると次のステップの結婚式を行うことができるようになります。
※なお非イスラム教徒のシンガポール人の結婚手続きでは、結婚する2人のうちどちらかが15日以上シンガポールに滞在していないと結婚通知書の提出はできません。
Step.5 結婚式を行う
上記の結婚通知書(notice of marriage)の提出し婚姻許可書(marriage licence)を取得してから、21日後~3ヶ月以内に結婚式を行います。
※2名の証人の立ち合いが必要になります。
結婚式を行うと、登録官が婚姻登録を行って、「婚姻証明書」の発行をしてもらえ、これでシンガポール側の結婚手続きが完了となります。
Step.6 日本側の結婚手続きを行う
シンガポール側の結婚手続きが完了したら、次は日本側の結婚手続きを行っていきます。
日本側での結婚手続きは、シンガポールにある日本大使館でも手続きできますが、日本人側の戸籍謄本に婚姻情報が反映されるまでに1ヶ月~2ヶ月ほどかかってしまいますので、急いでいる場合は、「日本にある役所で手続きする方がスムーズ」です。
日本の役所に婚姻届を提出するのは、日本人1人でも大丈夫ですし、使者として親族や友人に代理で行っていただくことも可能です。
今回は、日本の役所で婚姻届を提出する際の必要書類についてご案内させていただきます。
日本人の必要書類
- 婚姻届(証人2人の署名は不要)
- 戸籍謄本(本籍地以外で手続きする場合のみ)
- 身分証明書(運転免許証など)
シンガポール人の必要書類
- 婚姻証明書と日本語訳
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - パスポートと写真のページの日本語訳
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - 在留カード(ある場合のみ)
婚姻届が正式に受理されると、平均1週間で日本人の戸籍謄本にシンガポール人配偶者の情報が反映された戸籍謄本を取得することができるようになります。
これですべての結婚手続きが完了となります。
なお、日本での配偶者ビザ申請時には、「シンガポール国発行の婚姻証明書」の提出が必要になります。
「イスラム教徒」のシンガポール人がシンガポール方式で結婚手続きする方法(シンガポールから先に結婚手続きをする場合)
シンガポールから先に結婚手続きする場合で、シンガポール人が「イスラム教徒」の場合の結婚手続き方法は下記になります。
Step.1 日本人の戸籍謄本を取得する
まず最初に、日本人の戸籍謄本を本籍地で2通取得します。
※郵送でも請求することができます。
※本籍地と住所は異なりますのでご注意ください。
戸籍謄本の有効期限は、発行から3か月以内のものになりますので、取得後は早めに手続きするようにしてください。
Step.2 戸籍謄本を日本の外務省でアポスティーユ(認証)する
取得した戸籍謄本の1通を、日本の外務省でアポスティーユ(認証)します。
アポスティーユとは、外務省印を押してもらうことで、海外に提出する書類について日本で発行した書類が本物であることを証明するために行う手続きになります。
アポスティーユは郵送または直接外務省に行き行うことができますが、直接行く場合でも最短で翌日の受け取りとなります。
Step.3 シンガポールにある日本大使館で、日本人の書類を取得する
戸籍謄本のアポスティーユが完了したら、シンガポールにある日本大使館で「日本人の婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)」を取得します。
婚姻要件具備証明書(通称:独身証明書)とは、「独身」で「重婚」していなく、「結婚できる年齢」に達していることを証明する資料になります。
婚姻要件具備証明書を取得する際の必要書類
- 申請書(大使館に備え付けてあります)
- 戸籍謄本
- パスポート
Step.4 イスラム教婚姻登録所で婚姻登録をする
続いてシンガポールで結婚手続きを行っていきますが、イスラム法とムスリム施行法の要件を満たす必要がありますので、必ず事前に確認をお願いします。
上記要件を満たしたうえで、婚姻登録をし、婚姻登録後は日本人とシンガポール人の2人と女性側のWali(父親または男性親族)が登録確認を行います。
婚姻登録の際の必要書類
- 証人2人のパスポート(21歳以上)
- 日本人の婚姻要件具備証明書(英語訳付き)
- 日本人の戸籍謄本(英語訳付き)
Step.5 挙式を行う
婚姻登録ができたら、7日~150日以内に挙式を行いますが、21歳以上の2名の証人の立ち合いが必要となります。
挙式が終わると、「結婚登録証明書を発行」してもらえ、これでシンガポール側の結婚手続きが完了となります。
その後、日本での結婚手続きのために、シンガポールの外務省で結婚登録証明書をアポスティーユ(認証)をします。
Step.6 日本側での結婚手続きをする
続いて日本側の結婚手続きを行っていきますが、日本側での結婚手続きは、シンガポールにある日本大使館でも手続きはできますが、戸籍謄本への婚姻情報の反映が1ヶ月~2ヶ月ほどかかりますので、急いでいる場合は「日本にある役所で手続きする方がスムーズ」となります。
日本の役所で結婚手続きを行う場合は、日本人1人でも手続き可能ですし、使者として親族や友人に代理で行っていただくことも可能です。
今回は、日本の役所で手続きする場合の手続きについてご案内させていただきます。
日本人の必要書類
- 婚姻届(証人2人の署名は不要)
- 戸籍謄本(本籍地以外で手続きする場合のみ必要)
- 身分証明書(運転免許証など)
シンガポール人の必要書類
- 結婚登録証明書と日本語訳(アポスティーユ済のもの)
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - パスポートと写真のページの日本語訳
※日本語訳はどなたが行っても大丈夫です。 - 在留カード(ある場合のみ)
役所で婚姻届が受理された後は、平均1週間で日本人の戸籍謄本にシンガポール人配偶者の情報が反映された戸籍謄本を取得することができるようになります。
これですべての結婚手続きが完了となります。
なお、日本での配偶者ビザ申請時には、「シンガポール国発行の結婚登録証明書」の提出が必要になります。