フィリピン人の帰化申請の流れと必要書類
目次
用語解説
フィリピン国の機関名はたくさんあり少し複雑なのでまずは解説いたします。
フィリピン統計局=PSA(Philippine Statistics Authority)
フィリピン本国で公的書類を取得時は、2013年9月12日からPSA発行のものが必要になっています。
NSO (National Statistics Office)
PSAができるまではNSOと言われる機関が発行しておりましたので、簡単に言うとPSAの前身の機関となります。ただし現在でもNSOから書類を取得することはできます。
フィリピン外務省=DFA(Department of Foreign Affairs)
DFA認証は外務省で認証してもらうことを言います。通称レッドリボンと言われ、フィリピン外務省で行います。
外務省証明(アポスティーユ)=APOSTILLE
DFA認証とあまり変わらないのですが、外務省で書類を証明してもらうことをアポスティーユと呼び、フィリピン外務省で行います。
フィリピン人の帰化申請で注意する点
基本的な帰化申請の流れは他の国籍の方と変わりませんが、フィリピン人の場合に注意する点としては書類収集時です。
注意点
- PSA(Philippine Statistics Authority)と言われるフィリピン統計局発行のものが必要
- 書類の種類によってはDFA認証(通称:レッドリボン)が必要
(2021年追記)→現在は、DFA認証でなく、アポスティーユでOKとされています。
DFA認証とはDepartment of Foreign Affairs(フィリピン外務省)のことで書類を認証してもらうことを指し、に赤いリボンが掛けられることを指します。
このDFA認証をすることでフィリピン国として正式な書類として認めますという証拠になります。
→(2021年追記)
2019年5月以降はフィリピンがハーグ条約に加盟したので、この外務省認証(DFA認証)でなく、外務省証明(アポスティーユ)でOKとされています。
とはいえ、手続き方法はそんなに変わりません。
フィリピン人の帰化要件
フィリピン人の帰化の要件は、状況に合わせて3パターンございます。
Ⅰ. 一般のフィリピン人の場合
- 引き続き5年以上、日本に住所を有すること(うち3年間は就労が必要)
- 20歳以上であること
- 素行が善良であること
- 生計を営むことができること
- 元の国籍を失うことができること
- 反社会的思想を持っていないこと
- 一定の日本語能力があること
簡単に説明をすると、日本に5年以上住んでおりそのうち就労ビザで3年以上働いている方が帰化申請できます。
なお、この3年の就労期間は合算可能です。
さらに審査では、年金や住民税・所得税などの税金関係をしっかり納めており、交通違反やその他犯罪歴がないか審査されることになります。
Ⅱ. 日本人と結婚している場合
- 日本人の配偶者がおり、日本に引き続き3年間住んでいる人
- 日本人の配偶者がおり、結婚してから3年以上経っており+日本に1年以上住んでいる人
- 10年以上日本に住んでおり、うち1年間働いている人
上記の要件などを満たしている人などは日本への居住要件などが緩和されております。
まとめると下記になります。
具体例
- 日本にすでに3年以上住んでいる場合(留学などで)は、日本人と結婚した時点で帰化可能
- 日本人と結婚してすぐに日本に来た人は、3年間日本での居住後に帰化申請が可能
- 日本人と結婚して海外で3年間以上の結婚生活を送っていた人が日本に来た場合、1年間後に帰化申請が可能
他に連れ子として日本に来た方や日本生まれのフィリピン人などにも居住要件緩和されます。
Ⅲ. 長期間日本に住んでいる場合
- 10年以上日本に住んでおり、うち1年間働いている人
細かな要件を確認したい方はこちら
フィリピン人向け必要書類
必要書類は帰化申請したい外国人の状況によって変わってきます.
・日本で仕事している
・会社経営(役員と個人事業主も含む)※配偶者も含む
・日本人と結婚している
かどうかで変わってきます。
基本書類
基本の必要書類(すべてフォーマットあり)
- 帰化許可申請書
- 親族の概要書(日本居住と海外居住どちらも)
- 履歴書(過去の経歴と出入国履歴)
- 生計の概要(収入・支出や資産など)
- 自宅・勤務先付近の略図
- 在勤及び給与証明書
- 動機書
- 宣誓書(法務局で音読しサインします)
ご本人に関する書類
本人が集める必要書類
- 写真(縦5cm×横5cm)2枚
- パスポート
- 在留カード
- 最終学歴の卒業証明書
- 在学証明書(子どもが在学中の場合)
- 技能および資格証明書
- 申述書
- 預金通帳
- 運転記録証明書
- 源泉徴収票
- 賃貸借契約書(賃貸で暮らしている場合のみ)
- 土地・建物登記事項証明書(家を所有している場合のみ)
- 閉鎖外国人登録原票(書類作成の上で取得した方が良いかと思います)
- 出入国履歴(書類作成の上で取得した方が良いかと思います)
フィリピンで集める書類(本人及び両親の証明書も必要)
フィリピン本国で集める必要書類
※2021年追記。2019年5月以降はアポスティーユで可
- 出生証明書(DFA認証済)
- 結婚証明書(DFA認証済)
- 離婚証明書(DFA認証済)
- 死亡証明書(DFA認証済)
日本の役所で集める書類
日本で集める必要書類(公的書類)
- 住民票(世帯全員・同居者含む)
日本人と結婚している方など、状況に応じて下記書類も必要になってきます。 - 日本人の戸籍謄本
- 日本人の除籍謄本
- 日本人の戸籍の附票
以下は、自身で事業を行っている方が必要になるものです。
個人事業されている場合の書類
個人事業主の場合の必要書類
- 営業許可書・免許書類
- 直近年度の確定申告書
- 過去3年分の所得税納税証明書(その1・その2)
- 過去3年分の個人事業税の納税証明書
- 過去3年分の消費税の納税証明書
法人の代表者・役員の場合の書類
経営者の場合の必要書類
- 確定申告書
- 直近年度の決算書
- 過去3年分の法人税の納税証明書
- 過去3年分の法人事業税の納税証明書
- 源泉徴収簿の写し及び納付書
- 過去3年分の消費税の納税証明書
- 過去3年分の法人都道府県民税の納税証明書
- 過去3年分の法人市区町村民税の納税証明書
- 会社の登記事項証明書
- 厚生年金保険料の領収書
※日本の役所で取得する書類は発行から3ヶ月以内のものが有効です。
※海外の役所で取得する書類は発行から6ヶ月以内のものが有効です。
申請の流れ
一般的な申請の流れは下記になります。
基本的には事前相談から必要書類の事前チェックを経て申請になりますが、4~5回ほど法務局に行かなくてはいけない人もでてきます。
行政書士の専門家に依頼をすると法務局の場所によっても異なりますが、事前相談が不要になったり、書類の事前チェックもなく一発で申請できたり、必要書類の収集方法や書類作成方法など細かな疑問にも対応ができますので、状況に合わせて相談してみると良いかと思います。