ネパール人の帰化申請の要件は?必要書類と流れについても解説

近年、ネパール人の帰化申請が増えてきていますが、ネパール人が帰化申請できる要件をご存じでしょうか?
帰化申請は、審査に1年以上かかるため、不許可になってしまうと、かなりの時間を無駄にしてしまいます。そのため、帰化申請の要件を把握しておくことはとても重要になります。
さらに帰化申請するにあたり、ネパール本国で書類を取得しないといけません。ネパール本国での書類は、ネパールに家族が住んでいれば、家族に代理取得してもらうことができますが、なるべく手間をかけさせたくないという気持ちもあると思います。
そこで今回は、ネパール人が帰化申請する場合の要件と、必要書類及び流れについてご説明していきたいと思います。
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監修者

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行政書士法人フォワード
塩野 豪 GO SHIONO行政書士 Immigration Lawyer
フィリピン・カナダに合計5カ月居住し、海外での生活の大変さを知る。
その後、2016年に行政書士として独立して、ビザ申請代行サービス「ビザプロ」を開始する。
その後、累計400社・45か国以上の方の在留資格(ビザ)サポートを行う。
その他にも、日本法人の設立などのサポートを行い、外資系の日本進出コンサルティングも行っている。
人材紹介会社・管理団体・専門学校等とも顧問契約を結び、入管業務に特化したコンサルティングサポートを展開し、セミナー講師も積極的に行っている。
ネパール人の帰化要件は?
ネパール人が帰化申請するためには、日本に引き続き5年以上住み、そのうち3年間は就労ビザで働いていることが必要になります。この「引き続き5年以上」というのは、日本に住んでいるだけではなく、日本からの出国日数が少ないことを意味しています。
具体的には、1回の出国で連続3か月以上出国していたり、どこを基準にしても1年間で100日以上の出国がある場合は、引き続き日本に住んでいるとはカウントされません。そのため出国が多い場合には、日本に帰国した後から再度カウントし直しになってしまいます。
就労ビザでの3年間の就労期間も、正確に決まっているわけではないですが、安定した収入を確保できているかを確かめるために3年間くらい働いているかを審査されています。また、収入金額については、独身の場合で年収300万円あるかが目安となっております。
その他の帰化要件については下記になります。
ネパール人の帰化要件
- 引き続き5年以上、日本に住所を有すること(そのうち3年間の就労が必要)
- 20歳以上であること
- 素行が善良であること
- 生計を営むことができること
- 元の国籍を失うことができること
- 反社会的思想を持っていないこと
- 一定の日本語能力があること
日本人と結婚している場合の要件は?
日本人と結婚いる場合は、居住要件が緩和され、結婚してから何年経っているかによって日本に住んでいないといけない年数が変わってきます。
日本人の結婚している場合の要件
- 日本人の配偶者していて、日本に引き続き3年間住んでいる人
- 日本人の配偶者していて、結婚してから3年以上経っておりかつ日本に引き続き1年以上住んでいる人
少しわかりづらいと思うので、具体例で説明すると、日本人と結婚してから日本に来た人は、日本に引き続き3年以上住んでいる必要があります。
一方、結婚して海外に住んでいて、結婚3年以上経過してから日本に移住してきた人は、日本に引き続き住んで1年後に帰化申請が可能です。
日本人と結婚している場合でも「引き続き」という要件はあるので、日本からの出国日数が多い場合には、引き続き住んでいるとはカウントされないので注意が必要です。
ネパール人が帰化申請するための必要書類は?
それでは具体的にネパール人が帰化申請するための必要書類を確認していきましょう。帰化申請の必要書類は、ネパール本国で集める書類と、日本国内で集める書類で分かれています。
ネパール本国で集める書類
- 出生証明書(本人・兄弟姉妹のもの)
- 結婚証明書(本人・両親のもの)
- 親族関係証明書
- 離婚証明書(該当ある場合のみ)
- 死亡証明書(該当ある場合のみ)
- 申述書(フォーマットあり)
出生証明書は、自分の出生証明書だけでなく、兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹の出生証明書も必要になります。
結婚証明書については、ご自身が結婚している場合は、自身の結婚証明書に加えて、両親の結婚証明書も準備する必要があります。万が一、離婚している場合には離婚証明書も必要で、死亡している場合は死亡証明書を用意します。
家族関係証明書は、家族の顔写真が載っている証明書が取得できますので、両親・兄弟姉妹との関係性を示す書類として取得する必要があります。
申述書は、法務局のフォーマットがあり、お母さんに手書きで記載してもらうものになるので、ネパールから原本を送ってもらう必要があります。
その他の書類は、すべて日本で取得することになりますので、下記書類ご確認ください。
日本で集める書類
- 帰化許可申請書
- 親族の概要書(日本居住と海外居住どちらも)
- 履歴書(過去の経歴と出入国履歴)
- 生計の概要(収入・支出や資産など)
- 自宅・勤務先付近の略図(現在は不要となりました)
- 動機書
- 宣誓書(法務局で音読しサインします)
- 写真(縦5cm×横5cm)2枚
- パスポート(過去のものも含めてすべて)
- 在留カード
- 最終学歴の卒業証明書
- 技能および資格証明書(日本語能力試験など)
- 在勤及び給与証明書(勤務先に作成してもらいます)
- 住民票(世帯全員・同居者含む)
- 直近年度の住民税の課税証明書
- 直近年度の住民税の納税証明書(完納している最新のもの)
- 日本人の戸籍謄本(日本人と結婚している場合のみ)
- 日本人の除籍謄本(日本人と離婚したことがある場合のみ)
- 日本人の戸籍の附票(日本人と離婚したことがある場合のみ)
- すべての預金通帳
- 運転記録証明書(運転免許証を持っている場合のみ)
- 運転免許証(運転免許証を持っている場合のみ)
- 源泉徴収票(直近年度のもの)
- 賃貸借契約書(賃貸で暮らしている場合のみ)
- 土地・建物登記事項証明書(家を所有している場合のみ)
- 健康保険証
- 年金定期便または被保険者記録照会回答票
- 閉鎖外国人登録原票(2012年7月9日以前に日本に住んでいた場合は、書類作成の上で取得した方が良いかと思います)
- 出入国履歴(書類作成の上で取得した方が良いかと思います)
また個人事業主として働いていたり、会社経営している場合には、下記資料も追加で必要になってきます。
個人事業主の場合
- 営業許可書・免許書類
- 直近年度の確定申告書
- 過去3年分の所得税納税証明書(その1・その2)
- 過去3年分の個人事業税の納税証明書
- 過去3年分の消費税の納税証明書
法人経営者の場合
- 確定申告書
- 直近年度の決算書
- 過去3年分の法人税の納税証明書
- 過去3年分の法人事業税の納税証明書
- 源泉徴収簿の写し及び納付書
- 過去3年分の消費税の納税証明書
- 過去3年分の法人都道府県民税の納税証明書
- 過去3年分の法人市区町村民税の納税証明書
- 会社の登記事項証明書
- 厚生年金保険料の領収書
申請の流れについて
帰化申請の流れについてご説明させていただきます。
帰化申請は、ビザ申請と異なり、入管ではなく法務局で申請します。申請する法務局は、居住地によって変わってきますので、最寄りの管轄の法務局がどこなのか事前に確認する必要があります。
そしてまずは、法務局に事前に相談予約を入れる必要がありますが、首都圏などの法務局はかなり混みあっているため、相談予約が数か月先というのも多くあります。
相談予約ができると、そこで必要書類を案内され、申請日の予約をとります。そのため、実際に申請できるのは、法務局に予約をとってから4ヶ月~6ヶ月先という法務局も多く存在します。
申請が受理されると、3~6か月後を目安に面接が行われ、再度法務局に行って、提出書類について、日本に来た理由、家族関係、過去の就労状況、帰化したい理由などについて細かく聞かれます。
そして平均で1年ほど審査され、結果が通知される流れとなっています。
帰化申請を自分で行うとすると、法務局に何回も行かないといけません。法務局は平日しか空いていないので、何回も仕事を休めないという人も多いと思います。
そんな時は法務局の場所にもよりますが、行政書士に依頼すると、必要書類を把握しているので、事前相談なしで、初回から申請予約をとることができます。時間の節約や、書類収集時に困ったことがあった際に相談できるのも行政書士に依頼するメリットになりますので、検討してみるのも良いと思います。
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