就労ビザ

日本語学校卒業の外国人が就労ビザに変更するポイント

日本語学校に通っている外国人でも要件を満たせば、就労ビザに変更することができます。

入管では、「日本語学校卒業は学歴としてカウントしてくれません」が、海外で大学等を卒業していれば、日本ですぐに働くことも可能です。

今回は、日本語学校の外国人が就労ビザに変更する際のポイントについて解説していきます。

就労ビザには学歴が必要

就労ビザとは通称名であり、一般的な就労ビザは、「技術・人文知識・国際業務」という名前のビザ(在留資格)になります。

この技術・人文知識・国際業務の就労ビザでは、原則「学歴」が必要になります。

求められる学歴

  1. 大学を卒業(学士)
  2. 短期大学を卒業(短期大学士)
  3. 大学院を卒業(修士・博士)
  4. 日本の専門学校を卒業(専門士)※海外の専門学校は不可

大学等は、日本の大学でも海外の大学等でも認められていますが、専門学校は日本の専門学校のみ認められています。

また大学等を卒業していればいいだけでなく、大学であれば「学士」のように称号が付与されている必要があります。

海外の学校では、名前に大学とついていても、学士の付与がない場合もあるので注意してください。

また上記からもわかる通り、日本語学校は学歴としては認めてもらえません。

そのため、日本語学校を卒業したからと言って、日本で就労ビザを取得することはできません。

日本語学校の外国人は大学卒業が必要

そのため、留学生で就労ビザを取得する場合は、下記のパターンが多いです。

留学生が就労ビザを取得するパターン

  1. 海外で大学を卒業している
  2. 日本の専門学校または大学を卒業する

そのため、海外で大学を卒業していない場合は、日本語学校卒業だけでは就労ビザの取得はできず、日本の専門学校や大学に進学して卒業する必要があります。

実務経験の証明でも就労ビザは取れる

今まで学歴がないと就労ビザは取れないとお伝えしてきましたが、実は「実務経験」を証明することでも就労ビザの取得は可能です。

ただし実務経験の証明は「原則10年以上」、「国際業務(広報宣伝・海外取引業務など)の場合は3年以上」が必要となります。

この実務経験は、アルバイトやパートでの経験は含まれず、「社会人として正社員・契約社員の経験が対象」となります。

そのため、留学生でまだ若い場合には年齢的に10年または3年の実務経験を積むことは不可能なケースも多く、結果的に学歴が必要となる場合が多いです。

ちなみに国際業務には、「翻訳通訳業務」も含まれますが、翻訳通訳業務には、日本語との通訳であれば日本語能力試験(JLPT)2級以上の合格が必要になります。

そのため、日本語学校に通っている現時点で、海外で日本語と母国語等の翻訳通訳業務を行っていましたというのは、審査的に認められない可能性が高いです。

日本語学校を中退して就労ビザ申請する場合

日本語学校は、入管の学歴の審査では学歴とはカウントしてもらえないので、「卒業しなくても問題はありません。」

ただし、留学ビザで日本にいる以上は、留学の活動をしっかり行っていないと「在留不良」と判断され、就労ビザの要件が問題なくても、在留不良で不許可になるケースもあります。

在留不良と判断されるケースは下記です。

在留不良とみなされてしまう場合

  1. 出席率が悪い
  2. 成績が悪い
  3. オーバーワークをしている

出席率・成績率が悪い場合

出席率や成績があまりに悪いと、「次のビザ更新ができないので、就労ビザを変更するのではないか」と思われてしまいます。

また留学ビザなのに、留学ビザ以外のことをしていたのではないかという疑いも持たれてしまいます。

出席率のラインとしては、80%以上あれば問題ありません。

70%代だとなぜそんなに出席率が低いのか説明が必要になります。

説明には合わせて証拠書類も必要なので、例えば病気だったのであれば診断書等が必要になってきます。

オーバーワークについて

近年、入管はオーバーワークを厳しく見ています。

留学生は、資格外活動許可を取れば週28時間以内であればアルバイト可能ですが、この週28時間以内を守っていない留学生が多いからです。

留学生の中には、「周りもみんなオーバーして働いている」などで、大丈夫だと思ったと言われる外国人もいますが、オーバーワークが発覚すると就労ビザへの直接の変更はほぼ無理になります。

オーバーワークが原因で不許可になってしまうと、一度母国等に帰国して、再度就労ビザを申請して許可後に日本に戻ってくる方法(認定申請)しかなくなってしまいます。

外国人の中には、就労ビザの要件に該当していなく、日本に戻ってこれなくなってしまった方もいることから、一度帰国したら日本に戻ってこれないという噂もありますが、実際はそうではありません。

就労ビザの要件が問題なければ、日本に戻ってくることはできます。

ただし通常の手続きよりも大変にはなるので、オーバーワークは絶対にしないようにしてください。

就労ビザ申請の必要書類とは?

日本語学校に通っている外国人が就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に「直接変更する場合の必要書類」は下記になります。

変更申請の場合の必要書類

申請者(外国人)が準備する書類

  1. 申請書
  2. パスポート原本
  3. 在留カード原本
  4. 証明写真(縦4㎝×横3㎝)※発行から3か月以内のもの
  5. 大学等の卒業証明書(学士等の記載があるもの)
  6. 大学等の成績証明書
  7. 日本語学校の卒業証明書(卒業している場合)
  8. 日本語学校の成績証明書
  9. 日本語学校の出席率証明書
  10. 在職証明書(海外での実務経験を証明する場合)

勤務先予定企業が準備する書類

  1. 直近年度分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」のコピー(受付印または電子申請のメール控えがあるもの)
  2. 雇用契約書のコピー
  3. 履歴事項全部証明書 ※発行から3か月以内のもの
  4. 直近1年分の決算書(BS・PL)
  5. 理由書(外国人に行ってもらう業務内容の説明をしたもの)

上記は、最低限必要なものになります。

これ以外にも外国人や会社の状況によって必要になるものが出てくる場合があります。

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