経営管理(ビジネスビザ)

経営管理ビザとは?取得条件と手続きの流れについて解説

経営管理ビザを取得できると、外国人の方が日本で会社を経営・管理することができます。

そして経営管理ビザは、2015年4月に「投資・経営」という名前から「経営・管理」に変更され、2025年10月16日には、取得要件が厳格化されました。

なお経営管理ビザを申請するためには、新設会社の場合は、ビジネスがスタートできる状態になってから申請ができるようになるため、先にオフィスを契約したり、会社設立したり、先に投資をしないといけないので、しっかり要件を理解しておく必要があります。

そこで今回は、2025年10月16日に変わった経営管理ビザの新要件と手続きの流れについてご説明させていただきます。。

監修者

行政書士法人フォワード

塩野 豪 GO SHIONO行政書士 Immigration Lawyer

フィリピン・カナダに合計5カ月居住し、海外での生活の大変さを知る。
その後、2016年に行政書士として独立して、ビザ申請代行サービス「ビザプロ」を開始する。
その後、累計400社・45か国以上の方の在留資格(ビザ)サポートを行う。
その他にも、日本法人の設立などのサポートを行い、外資系の日本進出コンサルティングも行っている。
人材紹介会社・管理団体・専門学校等とも顧問契約を結び、入管業務に特化したコンサルティングサポートを展開し、セミナー講師も積極的に行っている。

経営管理ビザとは?

経営管理ビザとは、外国人の方が日本国内で会社経営を行ったり、日本の会社の役員(管理業務)になり報酬を受け取る場合に取得する在留資格(就労ビザ)になります。

2015年4月以前は、「投資・経営」ビザという名前で、投資でもビザの取得ができていましたが、名称変更をして「経営・管理」ビザになってからは、実質的に投資ではビザが取得できなくなり、経営または管理をする場合のみに認められるようになっています。

そして2025年10月16日からは、取得要件が厳格化され、今までなかった実務経験や日本語能力など新しい要件が加わりました。

なお経営管理ビザを取得する方は、行う仕事内容で判断しますが、一般的には「代表取締役」「取締役」「支店長」「工場長」「部長」などの役職で働く方が対象となります。

ただし、上記の役職がついていても経営や管理の仕事ではなく、営業などまだ管理業務以外で働いている場合は、一般的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」ビザに該当する場合もあるので、役職があっても仕事内容が経営や管理業務ではない場合は、専門家に相談されることをお勧めします。

海外在住のまま経営する場合は、経営管理ビザは不要

日本で会社設立をしてビジネスをする場合でも、海外在住のまま、日本に責任者を置いて経営する場合は、基本的には経営管理ビザは不要です。

なぜなら経営管理ビザは、日本国内で活動し報酬を受け取る場合に必要なので、日本国内で経営活動を行わない場合は、経営管理ビザの対象外となっています。

ただし経営管理ビザを持っていない場合で、年に数回程度、短期滞在で来日する場合には、経営管理ビザをもっていないので、商談・契約・会議・業務連絡等のみ行うことが可能となっており、日本で活動した内容について報酬をもらうことはできません。

経営管理ビザの取得条件は?

経営管理ビザを取得条件ですが、2025年10月16日に厳格化されました。

今までは「ビジネスの実務経験」「日本語能力」は必要なかったのですが、現在は必要となります。

その他の要件についても、要件がかなり厳しくなっているので確認していきましょう。

経営管理ビザを取得する条件(会社経営の場合)

  1. 資本金3000万円以上あること
  2. 常勤職員を1名以上雇用していること
  3. 日本語が話せる社員がいること
  4. 経営または管理にかかる実務経験が3年以上あること
  5. 経営の専門家に事業計画書を確認してもらっていること
  6. 日本国内にオフィスが契約されていること

資本金3000万円以上あること

以前は、資本金500万円以上が要件でしたが、現在は3000万円以上の資本金が必要です。

なお資本金が3000万円あればいいだけでなく、そのお金をどのように準備したのかも証明しないといけません。
そのため、友達から借りて、資本金の登記完了後にすぐに返金するといった見せ金では認められず、本当に事業に使用するために準備する必要があります。

そして資本金は、必ず自分で用意しないといけないわけではなく、親族から借りたり、VCから出資してもらったり、銀行から借り入れして用意することも可能です。

資本金の準備の仕方(例)

  1. 今までの貯金で3000万円を準備する
  2. 海外法人から出資する
  3. 銀行から借り入れする
  4. VCやファンドから出資してもらう
  5. 親族や友人から借りる

上記どの方法でも問題はないですが、「契約書」や「送金履歴」など証明書類が必要となります。

そのため、「現金で貯金していた」「海外から現金を持ってきた」「友達が海外から現金を持ってきた」など、送金記録が証明できないものは、合法的に準備したかどうか判断ができないため、審査で不許可となる可能性が高いです。

また両親や友人から借りる場合も、借用書(収入印紙付き)や金銭消費貸借契約書などの借り入れが合法的に行われているかの証明資料が必要となります。

さらに両親や友達がどのようにそのお金を準備したかも重要なので、両親や友達の収入証明書や資産証明書、両親の場合には親族関係の証明書の準備も必要になります。

常勤職員を1名以上雇用していること

以前までは従業員の雇用は要件ではありませんでしたが、現在は最低でも常勤職員1名以上を雇用していることが必要になります。

常勤職員とは、正社員や契約社員などのフルタイム社員のことを指し、パートやアルバイト、業務委託者などは認められません。

さらに常勤職員として雇用する人についても、日本人、日本人の配偶者、永住者、永住者の配偶者、定住者の方のみ認められております。

そのため、正社員だとしても技術・人文知識・国際業務の外国人を雇用する場合には、経営管理ビザを取得するための常勤職員1名以上の雇用しているという要件はクリアできません。

日本語が話せる社員がいること

この要件も新設されたものとなり、経営管理ビザを申請する方(社長)本人でも、雇用する常勤職員でもどちらでも問題ありませんが、日本語が話せる人がいることが必要になります。

日本語能力についても、パートやアルバイト、業務委託者では認められませんので、社長または常勤職員のどなたか1人でも日本語を話せる人がいないといけません。

ちなみに日本語能力については、常勤職員の中でも、技術・人文知識・国際業務の外国人も対象となります。

注意点としては、日本在住であることが必要なので、海外在住の日本人や永住者の方は対象外となります。

そして日本語が話せるというレベルは下記となります。

求められる日本語能力レベル 

  1. 日本語能力試験(JLPT)で「N2」レベル以上
  2. BJTビジネス日本語能力テストで「400点」以上
  3. 中長期在留者として日本に20年以上在留している
  4. 日本の大学などを卒業している
  5. 日本の義務教育を修了して,日本の高校を卒業している

経営または管理の実務経験が3年以上あること

この要件も新しく追加されたものになり、経営管理ビザを取得するためには、3年の実務経験が必要となりました。

ここでいう実務経験は、経営業務または管理業務の経験のみを指し、実際に海外で会社経営していた経験や管理職についていた経験が3年以上ないと経営管理ビザは取得できません。

ただし、この実務経験の中には、大学院で経営管理や経営に係る科目を専攻し、該当する博士号、修士号、専門職学位を取得していれば、その期間も実務経験の年数として含めることができます。

経営の専門家に事業計画書を確認してもらっていること

こちらも新設された要件になり、今までも事業計画書は必要でしたが、自身で作成した内容で問題ありませんでした。

ですが現在は、作成した事業計画書を経営の知識がある専門家に確認してもらい、計画の実現可能性に問題がないか確認してもらう必要があります。

この新しい要件は、改正前の事業計画書だと、実現可能性が低く、計画通りにいかない申請が多かったり、矛盾が多い計画書が散見されたため、経営の専門家のチェックが必要とされたと推測できます。

なお経営の専門家とは、公認会計士、税理士、中小企業診断士の3資格が該当しますので、自身で作成してチェックのみしてもらうのか、最初からすべて作成してもらうのか、どちらかが必要となります。

日本国内にオフィスが契約されていること

昨今、オフィスがなくてもリモートワークで仕事ができるようになりましたが、経営管理ビザでは、オフィスで仕事をすることを求めています。

そのため、バーチャルオフィスや自宅をオフィスとすることは認めておらず、法人名義で日本国内にオフィスを契約する必要があります。

オフィス契約時の注意点

  1. 契約は「法人名義」で行う
  2. 使用用途は「事務所」であること
  3. 契約期間は長期で1年以上あること
  4. 個室で独立したオフィススペースが確保されていること

オフィスの契約にも細かいルールがあり、独立したオフィススペースが確保されている必要があります。

具体的には、安定した会社経営ができるように、少なくても1年以上の契約で自動更新となる契約で、法人名義、用途は事務所となっていることが求められています。

契約期間ですが、仮に3ヶ月契約で自動更新の場合には、不動産会社の契約上、そうなってしまっているが長期で借りることが可能なことを入管に説明するようにしてください。

オフィスの広さについては、特段制限はないですが、最低でも従業員含めて2人が作業できるスペースがあることが必要となります。
また事業内容に応じては、在庫を置くスペースが必要な場合には、そういったスペースも確保できているかなど矛盾がないことが求められます。

レンタルオフィスを借りる場合

新規で会社設立をして経営管理ビザを取得する場合には、レンタルオフィスをオフィスとすることも可能なので、近年はレンタルオフィスを契約する人が増えています。

レンタルオフィスでは、事業において必要な備品がすべてそろっているので、机や椅子などを買う必要がなく費用を抑えることができます。

ただし、レンタルオフィスの場合は「個室」プランでないと経営管理ビザでは認められず、フリーアドレスなど、フリースペースの契約もあると思いますが、経営管理ビザでは、独立した個室であることが必要です。

そのため、個室でもパーテーションなど簡単に移動できるものだと、独立した個室とは認めてもらえないので、簡単に移動ができない個室で、鍵がかかり、会社名の掲示ができる条件のレンタルオフィスを契約する必要があります。

店舗をオフィスとする場合

飲食店やマッサージ店などの「店舗ビジネス」の場合、店舗内にオフィスを設置したいという要望もあると思います。

店舗内にオフィスを設置するには、店舗スペースとオフィスを明確に分ける必要があります。

経営管理ビザは、「経営」と「管理」のみできる就労ビザなので、飲食店やマッサージ店の現場で働くことはできません。

そのため、店舗内にオフィスを設置するとなると、現場で働いているのではないか?と疑われてしまう可能性があるため、店舗内に独立したオフィススペースを作る必要があります。

独立したオフィススペースとは、壁などでしっかり固定された個室で、鍵がかかり、明確に店舗スペースとオフィスが分けられているかがポイントになりますので、パーテーションなどで簡単に移動できるような個室スペースでは、オフィススペースとしては認められません。

そして現実的に、店舗に顔を出すこともあると思いますが、ほとんどの時間はオフィススペースで作業をすることになるので、作業が問題なくできる広さも求められています。

店舗内に個室スペースを作れない場合は、レンタルオフィスの個室プランなど、店舗外の個室オフィスを借りる必要がでてきます。

経営管理ビザ申請の流れについて

新しく会社を設立し、経営管理ビザを申請する流れについてご案内させていただきます。まずは会社設立からスタートし、会社設立後に経営管理ビザを申請する流れとなります。

経営管理ビザを申請する流れ(新設会社の場合)

  1. 個人名義でオフィスの契約をする
  2. 会社の基本事項(会社名・目的・本店所在地など)を決める
  3. 会社の実印を作成する
  4. 定款作成・公証人による定款認証を行う
  5. 出資金を払い込む
  6. 会社設立登記の申請・開業届を提出する
  7. オフィス名義を法人名義に変更する
  8. 経営管理ビザを申請する

会社設立が完了したら、いよいよ経営管理ビザの申請ができます。
ただし、経営管理ビザを申請する前に、ビジネスがスタートできる状態にしていないといけないので、オフィスの内装や備品は揃えておく必要があります。

具体的には、最低限「机」「椅子」「パソコン」「プリンター」「電話」などは準備しておく必要があります。店舗系のビジネスの場合、例えば飲食店だと、内装が完了しており、メニューや看板、机、いす、すべて整った状態で経営管理ビザを申請します。

 経営管理ビザの必要書類について

それでは最後に、経営管理ビザを申請する際の必要書類についてもご説明していきます。

必要な書類は、状況に応じて任意で提出するべき書類も多く存在しますが、ここでは一般的に必要な書類についてご説明していきますので、必要に応じて任意で書類を集めるようにお願い致します。

必要書類(経営管理ビザ)

  1. 申請書
    海外在住の場合はこちら(在留資格認定証明書交付申請書)
    日本在住の場合はこちら(在留資格変更許可申請書)
  2. 証明写真(発行から3ヶ月以内の、縦4cm×横3cmのもの)
  3. パスポート
  4. 在留カード(日本在住の場合のみ)
  5. 履歴書
  6. 資本金のどのように用意したかを証明できる書類(送金履歴や通帳のコピーなど)
  7. 理由書(経営管理ビザとして行う仕事内容の説明)
  8. 会社の登記事項証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  9. 事業計画書(販売商品、取引先、販売方法、人員計画、収支計画など)※専門家の確認済のもの
  10. 株主総会議事録(役員報酬を決定するもの)
  11. オフィスの契約書
  12. オフィス内の写真(外観・ポスト・入口・事務スペース・会議室・複合機があるスペースなど)
  13. オフィスの図面
  14. 法人設立届出関係の資料(税務署の受付印があるもの)
  15. 給与支払事務所の開設届(税務署の受付印があるもの)
  16. 許認可の書類(許認可が必要なビジネスの場合のみ)
  17. 取引先との契約書(すでにある場合のみ)
  18. 従業員の雇用契約書
  19. 日本語能力を明らかにする資料(フォーマットあり
  20. 日本語能力を証明する資料(JLPTの場合はN2以上)※従業員でも可
  21. 許認可の書類(該当する場合のみ)

上記書類は、最低限必要になる書類です。

説明をしないと審査官に内容が伝わらない内容については任意で書類を提出するようにしてください。

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