経営管理(ビジネスビザ)

未経験の業界で経営管理ビザを取得する方法

経営管理ビザを取得する場合、行うビジネス(事業)の実務経験がないといけないと思っている方もいますが、そうではありません。

経営管理ビザでは、今まで経験のない業界での起業や、今まで経営をしたことなくても取得できますが、全く新しい業界でビジネスをする場合、なぜ経験がない業界で起業することになったのかの説明が大切になります。

今回は、未経験の業界で経営管理ビザを申請する場合のポイントと注意点について解説していきます。

経営管理ビザでは「ビジネスの実現可能性」が審査される

経営管理ビザを取得するのに「実務経験は不要」です。

しかし「ビジネスの実現可能性」は審査されますので、未経験の業界で起業する場合は「経験のない業界でどのようにビジネスを成功させるのか?」を説明することが重要になります。

以前は、ビジネスの実現可能性については、そこまで厳しく審査されていませんでしたが、経営管理ビザを取得後、ビジネスがうまくいかず、他の活動をしてしまっている外国人の方が多くなってしまったことで、ビジネスの実現可能性について以前よりも厳しく審査されるようになっています。

ここでポイントとなってくるのが、「ビジネス内容が経験ある業界か」「未経験の業界か」です。

例えば社会人として働いていた業界と同じ業界で起業するのであれば、知識も人脈もあるので、ビジネス内容にも具体性が出ますし、起業することになった経緯も明確です。

しかし、まったく働いたことがない業界(未経験の業界)で起業する場合は、なぜいきなり違う業界で起業することになったのかの経緯説明が必要です。

未経験の業界で起業する場合に必要な説明項目

  1. なぜ経験がない業界で起業するのか?
  2. 知識や人脈はどのように補う予定なのか?
  3. 未経験の業界での起業準備は、どのくらいの期間していたのか?

なぜ経験がない業界で起業するのか?

一般的には、あなたが経験ある業界で起業することが多いです。

未経験の業界での起業する場合、何かしら勝算があると思うので、その理由を説明したほうが入管の審査もスムーズにいきます。

理由が「なんとなく儲かりそうだから」であれば、本当にビジネスがうまくいくのか?と疑義がでてしまい、マイナス評価になる可能性もあります。

そのため、なぜそのビジネスなのか?を説明しつつ、ビジネスに対する想いも説明するとよいでしょう。

知識や人脈はどのように補う予定なのか?

ビジネスを行うにあたっては、その業界の知識と人脈が必要になります。

知識は、自分で勉強して補うこともできるかもしれませんが、新規参入するにあたり、どのような知識を持っているのか説明すると、ビジネスの実現可能性が高いことがアピールできます。

人脈に関しても、単純にインターネット上で広告を出すので不要という方もいるかもしれませんが、広告を出している競合他社はいくらでもいるので、他社とどういう差別化をしているか、広告をどういう戦略で出していくのかの説明をすることも効果的です。

未経験の業界での起業準備は、どのくらいの期間していたのか?

未経験の業界での起業は、どの程度の準備期間が経て、起業しようと思ったのかもビジネスの実現可能性を考えるうえで必要な情報です。

準備期間が短いと「ビザ目的で申請しているのではないか?」と疑われたり、本当にビジネスがうまくいくのか?ということも思われてしまいます。

今の時代、全く新しいサービスを行うというのはなかなか難しく、すでにあるサービスにあなたの強みを付け加えてビジネスを行うのが一般的かと思います。

その中で、ビジネスが成功するために、どのくらいの期間、準備してきたのかは、あなたの本気度がわかります。

ビジネスの準備期間に何か月以上ないといけないと言った基準はありませんが、準備期間が短い場合は、準備期間が短くても大丈夫な理由についての説明をしておくとよいです。

具体的なビジネス内容の決め方について

日本の経営管理ビザは、ビジネスを開始できるようになった“後”に申請することになるので、ビザ取得後にビジネス内容を決めるということはできません。

では具体的に何を決めていないといけないのかみていきましょう。

経営管理ビザを申請する前に決めること

  1. 販売する商品・サービスは何か?
  2. 販売価格と仕入れ価格
  3. 販売方法と集客方法
  4. 採用計画

販売する商品・サービスは何か?

最も大切なのは「何を販売するのか?」です。

外国人の方の多くが貿易業のビジネスをしたいとご相談にこられますので、今回は貿易業で起業する予定ということで考えてみます。

貿易業の場合、販売できる商品はたくさんありますが、ざっくり「飲食料品と日用品を販売する」というだけでは足りません。

例えば飲食料品と言っても、調味料なのか、お菓子なのか、飲み物なのか、インスタント食品なのか、など種類がたくさんあります。

そのため、具体的にどのメーカーのどの商品を販売するのか決める必要があり、入管の審査官にもわかるように、事業計画書には商品画像も貼っておくのがよいです。

販売価格と仕入れ価格

続いて、販売する商品が決まったら、その商品を「いくらで販売するのか」を決めます。

販売価格を決める場合は、競合他社がいくらで販売しているのかを調べる必要があるので、リサーチをして販売価格を決めつつ、利益を出さないといけないので、仕入れ先企業を探し、いくらで仕入れることができるか話をすることも必要です。

ビザ申請前に仕入れ先企業と契約できていることが理想ですが、契約ができていなくても最低限、具体的にどの会社から仕入れる予定なのか、会社名がわかるようにしておく必要はあります。

販売方法と集客方法

販売商品と販売価格・仕入れ金額が決まったら、次は「どこで販売するのか?」「どのように集客するのか?」を考えます。

貿易業の場合は、「自社のECサイトを立ち上げる」「Amazonや楽天のプラットフォーム上に出店する」「店舗を構える」「卸業者として、小売業者に販売する」のいずれかになってくると思います。

経営管理ビザ申請時にECサイトやAmazon上での出店ができていなくても大丈夫ですが、どのような方法で販売するのかは決めておく必要があります。

さらに集客方法も大切で、オンライン上でお店を出店しても、同じようなお店はいっぱいあるので、いきなり売れることはありません。

そのため、誰をターゲットとして、どのように集客する予定なのかを考えていきます。

採用計画

さいごに採用計画も考える必要があります。

経営管理ビザは、名前の通り「経営」と「管理」をするためのビザになりますので、あなた自身が現場で働くことはできません。

貿易業でいうと、在庫管理や発送業務などはアルバイトなどの従業員に行っていただくか、外注することが必要です。

最初はビジネスが軌道にのるまでの間は、1人で活動したいと思われることもあると思いますが、経営管理ビザのルール上、あなたが現場で働くことはできないので、アルバイトでもいいので、従業員を採用する計画があることが求められております。

またビザ申請時までに雇っている必要はなく、経営管理ビザ取得後1年間のうちで、いつ何人採用する予定なのかの計画をたてるので足ります。

経営管理ビザの要件とは?

ここまで未経験の業界で起業する際の、ビジネスのポイントについて説明してきましたが、経営管理ビザを取得するための要件についてもご説明いたします。

経営管理ビザ取得の要件

  1. 具体的なビジネスが計画できていること
  2. 500万円以上の出資
  3. 日本にオフィスがあること

具体的なビジネスが計画できていることは説明してきましたので、それ以外のご説明をさせていただきます。

500万円以上の出資

経営管理ビザを取得するには、500万円以上の規模の会社である必要でありますが、一般的には資本金を500万円として登記することが多いです。

そして、この資本金は誰が出資されても問題はありませんが、本当にビジネスで使用する必要があるので、ビザのために友達に借りて、ビザ取得後にお金を返すなどはできません。

資本金の500万円は「誰がどのように準備したのかも審査対象」なので、現金などでいきなり入金すると、どのように準備したのかわからないので、現金でのやりとりはおすすめしません。

多くのケースでは、「今まで働いて貯めたお金」や「親から借りた」などでありますが、借りた場合は金銭消費貸借契約書などが必要であり、現金のやりとりではなく、銀行振り込みで履歴が残るように入金するようにしてください。

日本にオフィスがあること

経営管理ビザを取得するには、日本国内に独立したオフィスがあることが必要です。

今の時代、リモートワークで仕事ができるビジネスも多く、オフィスは不要という場合もあると思いますが、現行の入管法では「自宅とは別の独立したオフィスが必要」になります。

よくある例としては、「自宅とは別でマンションの一室を借りる」「レンタルオフィスを借りる」です。

自宅とオフィスを一緒にしたい場合は、一軒家であれば可能であり、その際には1階をオフィスとし、2階を自宅にするなど、明確にスペースをわけることができれば可能となっております。

またオフィスの契約書は「用途が事務所」で、借主はあなたが設立した会社名での契約である必要があるので、個人名義で契約をする場合は、後から法人名義に変更したい旨を先に伝えておく必要があります。

マンションの一室をオフィスにする場合

マンションをオフィスとする場合は、不動産会社と契約する際に、SOHOなどオフィスとして使用していい許可がないといけないので、不動産会社にビジネス目的で借りることを伝えて契約するようにしてください。

もし、ビジネス目的で契約しない場合には、自宅とは別で契約した物件だとしても、経営管理ビザは許可要件には該当しないので注意してください。

レンタルオフィスを契約する場合

レンタルオフィスをオフィスとすることも可能です。

ただしレンタルオフィスの場合は、個室を借りる必要があり、フリースペースでの契約では経営管理ビザは許可されません。

個室の大きさは、あなたが行おうとするビジネスの内容に応じて問題ない規模であればよいので、1人部屋の小さな部屋でも大丈夫です。

60歳以上で起業する場合

ここまで未経験の業界で経営管理ビザを取得する方法について解説してきましたが、年齢が60歳以上の場合には経営管理ビザ取得の難易度があがります。

経営管理ビザは学歴要件がなく「ビジネスの実現可能性」「500万円以上の出資」があれば取得できるビザなので、お金がある方がビザ目的で申請することがあります。

日本は移民を受け入れていないので、日本に住むためには、日本で行う活動に応じてのビザ取得をする必要があります。

そのため、60歳以上の方が日本でいきなり未経験業界で起業するとなると、ビザ目的なのではないか?と思われる可能性が高くなります。

すでに母国などでビジネスを行っていて、日本進出するなどであれば、60歳以上でも問題ありませんが、異国の地で、しかも未経験の業界で起業する場合には、60歳以下の方と比べて、精度の高い事業計画書の作成が必要になります。

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