経営管理(ビジネスビザ)

経営管理ビザ4ヶ月を取得する条件と流れ

海外在住の外国人が日本で会社を設立して、経営管理ビザを取得するためには、日本にいる日本人などの協力者が必要になります。

しかし日本に協力者がいない外国人の方も多く、そういう外国人の方向けに4ヶ月の経営管理ビザという、日本での起業準備ができるビザがあります。

今回は、起業準備ができる4ヶ月の経営管理ビザの取得方法とその流れについて解説していきます。

監修者

行政書士法人フォワード

塩野 豪 GO SHIONO行政書士 Immigration Lawyer

フィリピン・カナダに合計5カ月居住し、海外での生活の大変さを知る。
その後、2016年に行政書士として独立して、ビザ申請代行サービス「ビザプロ」を開始する。
その後、累計400社・45か国以上の方の在留資格(ビザ)サポートを行う。
その他にも、日本法人の設立などのサポートを行い、外資系の日本進出コンサルティングも行っている。
人材紹介会社・管理団体・専門学校等とも顧問契約を結び、入管業務に特化したコンサルティングサポートを展開し、セミナー講師も積極的に行っている。

4ヶ月の経営管理ビザとは?

日本で会社を経営するためには「経営管理ビザ」の取得が必要です。

経営管理ビザは、3ヶ月・4ヶ月・1年・3年・5年の計5種類の年数あり、通常は最初は1年の経営管理ビザを取得することになります。

しかし、1年の経営管理ビザを取得するためには、会社設立やオフィス契約など、ビジネスが始められる状態になった後でしか申請ができません。

そのため海外在住の外国人の方は、日本に住んでいる日本人や永住者などの協力者が必要となり、資本金の振り込みなども行うため、協力者探しに苦労される方も多いです。

そこで、起業準備のために4ヶ月の経営管理ビザが新設され、4ヶ月の間に「会社設立」「オフィス契約」などができるようになりました。

4ヶ月の経営管理ビザでできることは?

4ヶ月の経営管理ビザを取得して日本に来ると「住民登録」ができます。

住民登録ができると「銀行口座の開設」「携帯電話の契約」「印鑑登録(印鑑証明書)」など、会社設立やオフィス契約において必要な契約ができます。

会社設立には、資本金を振り込みために銀行口座が必要で、銀行口座を作るには、住民登録や携帯電話の番号が必要です。

携帯電話の契約も住民登録が必要なので、海外在住の外国人の場合は、どうしても日本に住んでいる協力者が必要になってしまいますが、4ヶ月の経営管理ビザは、これらの問題を解決できるビザとなっています。

申請までの流れについて

4ヶ月の経営管理ビザを申請するには、「本当に日本で会社を設立する予定」だということを証明しないといけません。

そのため日本に行ってから全て決めたいと思う方もいるかもしれませんが、ビジネスの内容などある程度明確に決まっていないと許可されません。

※来日後に計画が多少変更になるのは問題ありませんが、全く予定のない内容で申請することは偽装と受け取られるためできません。

4ヶ月の経営管理ビザを申請するまでの流れ

  1. 定款を作成する
  2. オフィスの候補地を決める
  3. 事業計画書を作成する
  4. ビザの申請をする(在留資格認定証明書交付申請)
  5. ビザの許可後、海外にある日本大使館(領事館)で手続き
  6. 来日

それでは、それぞれ細かな内容を見ていきましょう。

定款を作成する

定款とは、会社がどんなビジネスを行うのかの目的、住所や資本金の金額、決算について、役員についてなどの基本事項について記載してある書類のことを言います。

4ヶ月の経営管理ビザは、日本で起業するためのビザになりますが、実際にどのような内容のビジネスをしようと思っているかが決まっていないと許可されません。

日本に来てからビジネス内容を考えるなど、全くプランがない状態では4ヶ月の経営管理ビザは取得できません。

具体的にどのようなビジネスを行う予定なのかは決まっている必要があります。

定款認証まで行う場合について

定款は、実際に会社設立する際には、公証人に認証してもらう必要があります。

この定款認証まで行う場合、通常、出資者(発起人)の印鑑証明書が必要になりますが、海外在住の外国人の場合は印鑑証明書がないので、海外のサイン証明書または印鑑制度がある国は、海外の印鑑証明書を準備して定款認証を行うことができます。

オフィスの候補地を決める

4ヶ月の経営管理ビザにおいて、オフィスの契約までは求められていないですが、すでに物件が決まっている場合や、先に契約したい場合は、先にオフィスを契約することも可能です。

ただし、一般的な不動産会社だと、日本に住所がない外国人との契約はできないとしている会社が多いので、海外在住でも契約が可能な不動産会社を探す必要があります。

また、オフィスの契約までしない場合でも、どのエリアでどの物件を契約する予定なのかの候補を出す必要があります。

候補物件の場合は、来日後までその物件が空いているかわからないので、来日後に実際に契約した物件が違っても問題はありませんが、空いていれば本当に契約する物件である必要があります。

「事務所の物件は、日本に行ってからでないと決められない」という声もありますが、入管も候補物件を提出しないと審査ができないので、申請時点だとこの物件が候補ですという書類を提出することが必要です。

事業計画書を作成する

事業計画書は審査においてとても重要な書類になります。

事業計画書とは、ビジネス内容の詳細と最低1年間の収支計画のことを指します。

例えば、ビジネス内容において「化粧品の販売」などではなく、販売する化粧品は何種類あり、ターゲットはどの層で、それぞれ販売価格と仕入れ額はいくらで、集客はどのように行うのかなど、具体的に記載する必要があります。

申請時点でビジネス内容が決まっていないと許可はもらえず、さらに事業計画の内容が実現可能であると判断してもらえないと、4ヶ月の経営管理ビザの取得はできなくなってしまいます。

どのくらいの売上が必要か?

事業計画書においては、1年間の売上予測も作成します。

新規事業において1年目は、売上が上がらないことも大いにあり得ますが、経営管理ビザの申請では、事業計画において年間1000万円以上の売上があげられる計画が立てられていないと、事業の継続性が低いと判断されてしまいます。

そのため、仮に年間300万円の売上計画になっている場合は、自身の給与の支払いだけで赤字になってしまうので、事業計画を見直す必要があります。

ちなみに、今まで働いてきた業界のビジネスと同じ内容のビジネスをする場合は、経験値があるので、そういった事業背景も説明すると親和性が高いので、評価は高いです。

一方、全く新しい業界でビジネスを行う場合は、本当にビジネスとして成り立つのかを論理的に説明することが必要です。

ビザの申請をする(在留資格認定証明書交付申請)

必要書類がすべてそろったら「日本にある入管で申請」をします。

申請は外国人本人がすることになりますが、海外にいると申請ができず、一度日本に来ないといけません。

もしくは、行政書士などの専門家に依頼をするかのどちらかになります。

申請する入管の場所にもよりますが、審査は2ヶ月~3ヶ月が目安となっていますが、近年は申請件数の増加と入管職員の不足により、以前よりも審査期間が延びているので、3ヶ月以上かかる場合もあるので、申請はなるべく早めに行うようにしてください。

ビザの許可後、海外にある日本大使館(領事館)で手続き

4ヶ月の経営管理ビザが許可されると、在留資格認定証明書というものが交付されます。

この在留資格認定証明書を使用して、海外にある日本大使館(領事館)で再度VISA(査証)申請を行います。

この審査は、日本で申請した内容と相違がないかを確認するものであり、1週間ほどで審査がおわります。

なお、日本の入管で在留資格認定証明書が発行されてから、3ヶ月以内に海外の日本大使館(領事館)で手続きして、来日しないといけません。

海外の日本大使館(領事館)の手続き後から3ヶ月以内の来日ではないので、ご注意ください。

来日後について

4ヶ月の経営管理ビザを取得し、来日した後は4ヶ月以内に会社を設立しないといけません。

会社設立には、銀行口座の開設や資本金の振り込み、オフィスの契約など手続きは多くあり、4ヶ月はあっという間に過ぎてしまいますので、余裕をもって手続きを進めるようにしてください。

会社設立が終わり、ビジネスが始められる状態になった後は、1年の経営管理ビザへの更新申請を行う流れとなります。

必要書類について

4ヶ月の経営管理ビザを申請するために最低限の必要書類をご案内させていただきます。

ケースによって必要書類が変わってきますので、ここでご紹介するのは最低限必要なものになります。

4ヶ月の経営管理ビザの必要書類

  1. 申請書(在留資格認定証明書交付申請)
  2. パスポートのコピー
  3. 証明写真4cm×3cm(撮影から3ヶ月以内のもの)
  4. 履歴書
  5. 事業計画書
  6. 定款
  7. オフィスの候補書類
  8. 残高証明書
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