留学ビザを取得するための条件とは?
この記事では、外国人が日本に留学する際の「留学ビザ」の取得方法について解説していきます。
日本の留学ビザ取得するには、まず入学先の学校を決める必要があり、さらに日本での留学生活が問題なく送れるかどうかの判断として、収入の審査もあります。
それでは、留学ビザの取得条件について、より細かく見ていきましょう。
目次
留学ビザとは?
留学ビザとは、外国人が日本の教育機関(大学・専門学校・日本語学校など)で、教育を受ける活動をする場合に取得するビザのことをいいます。
留学ビザを取得できる教育機関は、小学校・中学校・高校・大学院・大学・短期大学・専門学校・日本語学校などです。
ちなみに海外の大学などに在学していて、「交換留学」の短期留学で日本に来る場合も留学ビザが該当します。
留学ビザの取得条件とは?
日本にいる留学生のほとんどが、「大学院」「大学」「短期大学」「専門学校」「日本語学校」のいずれかに留学するので、上記の学校に留学することを前提に説明していきます。
留学ビザの取得条件
- 日本の教育機関に入学して教育を受けること
- 留学中の生活に必要な費用(資産)が十分であること
- 留学に必要な日本語能力を有していること
日本の教育機関に入学して教育を受けること
日本の教育機関とは、大学もしくはこれに準ずる機関、専修学校または高等専門学校が該当し、これらの学校に入学して教育を受けることが求められています。
そのため、留学ビザ申請時には、教育機関から「入学許可証」などの書類提出が必要になります。
留学中の生活に必要な費用(資産)が十分であること
留学中の生活に必要な費用には、「学費」「教材費」「住居費」「食費」「交通費」「渡航費」などが含まれます。
多くの場合は、これらの費用を親が負担しますが、親が負担する場合は、親の収入が十分あることを証明することが必要です。
また奨学金を得て留学する場合は、奨学金を上記の必要な費用の中に含めることは可能です。
注意点としては、留学後に「日本でアルバイトをして資金を貯めます」という説明では、留学ビザの許可はでません。
理由としては、留学ビザは学校で勉強するためのビザであり、働くためのビザではないからです。
そして日本でのアルバイトは、資格外活動許可を受ければ留学ビザでもアルバイトはできますが、週28時間以内と就労制限があり、アルバイトはあくまでの留学ビザの補助的要因であり、留学費用をアルバイトでまかなうのは難しいです。
※近年、週28時間以上のアルバイトをしている学生(オーバーワーク)が多く、入管は厳しく取り締まっています。
留学に必要な日本語能力を有していること
日本語能力は「日本語学校に留学する場合」と「専門学校や大学などに留学する場合」で、求められる日本語能力が変わってきます。
日本語学校に留学する場合
日本語学校への留学の場合は、母国等で「大学」「短期大学」「大学院」のいずれかを卒業しており、「卒業証明書」の提出をすれば、日本語能力に関する書類は求められません。
※最終学歴が「高校」「専門学校卒業」などの場合は、最低限の日本語能力が求められています。
留学ビザで必要な日本語能力(いずれかでOK)※日本語学校に留学する場合
- 日本語教育機関で150時間以上の日本語教育を受けた者
- 必要な日本語能力を有していることが、日本語試験により証明された者
日本語能力を証明する試験として、主に下記1の「日本語能力試験(JLPT)N5」以上の基準で審査されますが、日本語能力試験(JLPT)以外の場合の評価指標は下記になります。
- 日本語能力試験(JLPT):N5(5級)以上
- BJTビジネス日本語能力テスト:300点以上
- .J.TEST実用日本語検定のF級以上の認定を受け又はFGレベル試験において250点以上
- 日本語NAT-TESTの5級(旧4級)以上
- STBJ標準ビジネス日本語テストにおいて350点以上
- TOPJ実用日本語運用能力試験の初級A以上
- J-cert生活・職能日本語検定の初級以上
- LCT外国人日本語能力検定のJCT5以上
- 実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJBridge)のC-以上
- JPT日本語能力試験において315点以上
専門学校や大学などに留学する場合
専門学校や大学、短期大学、大学院に留学する場合は、下記の日本語能力が求められています。
留学ビザで必要な日本語能力(いずれかでOK)※専門学校や大学などに留学する場合
- 日本語教育機関で6ヶ月以上の日本語教育を受けた者
- 必要な日本語能力を有していることが、日本語試験により証明された者
- 日本の小学校・中学校・高等学校で1年以上の教育を受けている者
日本語能力を証明する試験として、主に下記1の「日本語能力試験(JLPT)N2」以上の基準で審査されますが、日本語能力試験(JLPT)以外の場合の評価指標は下記になります。
- 日本語能力試験(JLPT):N2(2級)以上
- 日本留学試験(日本語(読解、聴解及び聴読解の合計))の200点以上
- BJTビジネス日本語能力テストの400点以上
留学ビザの申請の流れ
ここからは留学ビザの申請から許可になるまで、そして日本へ入国するまでの流れを見ていきましょう。
外国人本人は海外に住んでいることを前提とした申請の流れになります。
留学ビザの流れ
- 外国人本人が、留学したい学校に願書を出し受験する
- 合格したら「入学許可証」を学校からもらう
- 学校が、留学ビザの申請(在留資格認定証明書交付申請)を行う
- 入管から認定証明書(COE)が発行される
- 認定証明書(COE)を外国人本人が受け取ったら、居住地(海外)の最寄りの日本大使館(領事館)に査証(VISA)申請をする
- 日本領事館から査証(VISA)が発行される
- 来日(COEの発行から3ヶ月以内)
まずは、外国人本人が留学したい学校を探し、入学試験に合格する必要があります。
また認定証明書(COE)の申請は、学校がある都道府県にもよりますが、全国的に審査に時間がかかっており、平均で3ヶ月くらいはかかります。
日本の学校は4月入学の学校が多いため、日本への留学を希望する場合は、早めに学校に問い合わせをしてみてください。
ただ学校によって試験日や入学日は異なりますので、詳細は各学校に問い合わせを行って確認するようにしてください。
必要書類について
それでは、留学ビザを入管に申請する際の必要書類を見ていきましょう。
留学ビザの必要書類は、留学生が入学予定の教育機関が「適正校」か「適正校以外」によって必要書類が異なります。
それと合わせて、入学したい学校が大学等なのか、日本語学校なのかによっても必要書類が異なるので、留学する学校別で必要書類を記載していきます。
まず、「日本語学校」「専門学校」に留学の場合の必要書類は下記です。
留学ビザの必要書類(適正校の認定を受けている場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書(COEの申請書)
- 証明写真(撮影から3ヶ月以内のもの)
- パスポートのコピー(写真部分)
- 履歴書
- 提出書類一覧表
- 今後の進路説明書(最終学校を卒業後、5年以上経過している場合のみ)
- 最終学校の卒業証明書
- 日本語教育機関の卒業証明書・出席証明書・成績証明書(日本語教育機関で6ヶ月以上勉強した者のみ)
- 日本語試験の合格書(日本語試験に合格した者のみ)
- 経費支弁書
- 経費支弁者と留学生の関係を立証する資料
- 預金残高証明書
- 過去1年間の資金形成経緯を明らかにする資料
- 奨学金給付に関する証明書(奨学金をもらう者のみ)
- 入学許可証
- 理由書(適宜、提出資料に説明が必要な場合に作成すること)
留学ビザの必要書類(適正校の認定を受けていない場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書(COEの申請書)
- 証明写真(撮影から3ヶ月以内のもの)
- パスポートのコピー(写真部分)
- 履歴書
- 提出書類一覧表
- 今後の進路説明書(最終学校を卒業後、5年以上経過している場合のみ)
- 最終学校の卒業証明書
- 日本語教育機関の卒業証明書・出席証明書・成績証明書(日本語教育機関で6か月以上勉強した者のみ)
- 日本語試験の合格書(日本語試験に合格した者のみ)
- 経費支弁書
- 経費支弁者と留学生の関係を立証する資料
- 預金残高証明書
- 過去3年間の資金形成経緯を明らかにする資料
- 経費支弁者の職業を立証する資料
- 過去3年間の経費支弁者の収入を立証する資料
- 奨学金給付に関する証明書(奨学金をもらう者のみ)
- 入学許可証
- 理由書(適宜、提出資料に説明が必要な場合に作成すること)
大学院・大学・短期大学・高校に留学する場合の必要書類は下記です。
留学ビザの必要書類(適正校の認定を受けている場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書(海外から呼び寄せるための申請書)
- 証明写真(撮影から3ヶ月以内のもの)
- パスポートのコピー(写真部分)
- 履歴書
- 提出書類一覧表
- 経費支弁書
- 今後の進路説明書(最終学校を卒業後、5年以上経過している場合のみ)
- 研究内容を証する文書(研究生として留学する場合のみ)
- 履修届けの写し又は聴講科目及び聴講時間を証する文書
(研究生などで留学する場合のみ。申請時に未定の場合は不要) - 大学の管理体制を説明した文書(夜間通学する場合のみ)
- 奨学金給付に関する証明書(奨学金をもらう者のみ)
- 入学許可証
- 理由書(適宜、提出資料に説明が必要な場合に作成すること)
留学ビザの必要書類(適正校の認定を受けていない場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書(COEの申請書)
- 証明写真(撮影から3ヶ月以内のもの)
- パスポートのコピー(写真部分)
- 履歴書
- 提出書類一覧表
- 今後の進路説明書(最終学校を卒業後、5年以上経過している場合のみ)
- 最終学校の卒業証明書
- 今後の進路説明書(最終学校を卒業後、5年以上経過している場合のみ)
- 最終学校の卒業証明書
- 日本語教育機関の卒業証明書・出席証明書・成績証明書(日本語教育機関で6か月以上勉強した者のみ)
- 日本語試験の合格書(日本語試験に合格した者のみ)
- 研究内容を証する文書(研究生として留学する場合のみ)
- 履修届けの写し又は聴講科目及び聴講時間を証する文書(研究生などで留学する場合のみ。申請時に未定の場合は不要)
- 大学の管理体制を説明した文書(夜間通学する場合のみ)
- 経費支弁書
- 経費支弁者と留学生の関係を立証する資料
- 預金残高証明書
- 過去3年間の資金形成経緯を明らかにする資料
- 経費支弁者の職業を立証する資料
- 過去3年間の経費支弁者の収入を立証する資料
- 奨学金給付に関する証明書(奨学金をもらう者のみ)
- 入学許可証
- 理由書(適宜、提出資料に説明が必要な場合に作成すること)
提出する書類の注意点
入管に提出した書類は、半永久的に入管のデータに残ります。
そのため、面倒だからと適当に記載したりすると、後に後悔することになるので、間違いがないように記載するようにしてください。
特に履歴書の「日付」に関して、調べるのは面倒かもしれませんが、適当には記載しないようにしてください。